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魚の話  2005年9月22日
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えいの話…

 えいを干す 崖の日向に 海桐の木 宇佐美魚目 [「晨」代表]

 エイの切り身は真っ赤である。それだけ見ると、とても乾物のエイヒレと元が同じとは信じ難い。
 それに生は、エイではなく「カスベ」と呼ばれている。知らないと特別な魚と勘違いしてしまう。

 もっとも、東京で「カスベ」の名前を聞くようになったのも、最近のことであるから、未だにご存知ない方も多いだろう。
 それも当然。「カスベ」の過半は北海道で水揚げされるのである。本州には生身は出回らなかったのである。

 この「カスベ」は、本州で見かけるエイとは違う。本州で馴染みのエイはトビエイ亜目に属するアカエイだ。一方、「カスベ」は、ガンギエイ亜目なのだ。
 アカエイは、北海道には登場せず、東北南部から南に分布しているのだ。

 従って、食用はもっぱらガンギエイの一部かと思ったらそうではないという。
 エイの中でもアカエイは最も美味で、夏から秋が旬だというから驚いた。アカエイの切り身など見たことがなかったからである。

 しかし、高浜虚子が「平たく広く団扇のような魚」と言ったくらいだ。昔は食べ慣れた魚だったのだろう。(1)
 といっても、もっぱらニコゴリを食べていたのではないかと思うが。

 但し、フランス料理には“LA RAIE BOUCLEE”が高級食材として登場する。このエイはガンギエイに似ている。
 ムニエルにして食べるフランスでは、アカエイは不人気のようだ。

 尚、北海道産のガンギエイには2種類あるそうだ。「メガネカスベ」と「ドブカスベ」。
 前者は浅い海で獲れる。皮が薄くて食べやすく「本カスベ」と呼ばれている。
 後者は深いところにいるそうで、皮は食べられない。そのかわり、身は柔らかい。そこで、「水カスベ」となる。
 本物の方が旨いのかと思ったら、価格はそうなっていないから、好きずきのようだ。

 エイは軟骨だから、煮ればまるごと食べることができる。と言うか、癖がなくて香りや味がない食材ということだ。食感を楽しむことになるから、味付けが勝負だろう。
 ローカロリーのコラーゲン食ということで、人気がでるのは間違いあるまい。

 --- 参照 ---
(1) http://www.shunmaga.jp/zukan/gyokairui/akaei/akaei.htm
 

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