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魚の話  2006年3月17日
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ほっき貝の話…

  ほっき貝 食べて一念 発起かい cross24 [徒洒落草 2005年11月17日]

 ほっき貝は、東京では、昔は見かけたことも、聞いたこともなかった貝である。

本名は、バカガイ科ウバガイだそうだが、北海道では昔から「ほっき」と呼ばれていたそうである。

 姥貝という正式名称が嫌いな人が多いため、こちらが主流になっているのだろう。ただ、これを「北寄」と漢字で記載するようになった理由は定かではない。
 相当前の話だが、風が吹くと浜に来るから、北寄貝なのだと、寿司職人から教えられた覚えがある。本当だろうか。
 昔から「ほっき」と呼ばれていたというのだから、単なる、北海道方言と見るのが妥当な感じがする。おそらく、後から、適当な漢字を当てはめたのだろう。実際、「北帰貝」と書く人もいる位だから。

 しかし、今時、夜汽車で北帰行でもなかろう。
 それよりは、健康志向に合わせて、海のミルク「乳母貝」と名付けけたら如何なものだろう。

 名前が気になったので、ついでに、学名も眺めてみた。(1)
 Pseudocardium sachalinense。

 お〜。

 サハリンの貝である。

 もっとも、Pseudocardium sybillae と別名を記載する人もいる。サハリンは面白くないということだろうか。(2)

 寒い地域がお好みの貝なので、どうしても成長は遅くなる。食べれる大きさになるのには、数年はかかるようである。そのかわり、姥貝と言うだけのことはあって、長寿らしい。
 それなら、最適環境で養殖して、速く育てたらよさそうに思うが、どうも稚貝の放流まででおしまいにしているようだ。神経質な貝なのかもしれない。

 その上、棲んでいる所は、潮が流れている外洋の水深10m程度の砂底らしいから、漁は結構大変なようだ。そんなことはもろともせず、しっかりと獲り続けるのがプロフェッショナルなのだが。

  アグリネット 日本の水産(漁獲の様子や水産物処理過程を紹介)>>>
    ・[日本列島水見聞記「夏の美味 ほっき貝 〜福島県 いわき市 久ノ浜〜」>>>

 そんな状況だから、当然、輸入モノが入り込む余地は大きい。
 北米東海岸からはアメリカウバガイ(アトランティック・サーフクラム)。北米西海岸からはナガウバガイ。
 こうなると、量が確保できるから、様々な料理や加工食品への応用が進んでいると思われる。昔は、干して、出汁かおやつになっていたと聞くが、そんな用途は消滅の道を歩んでいそうだ。

 もともと、食べない部分を除くなど、さばきが面倒と言われており、もっぱら寿司屋さんの食材と考えていたが、最近は素人料理人が殻付きを調理することもあるようだ。
 人気モノのようである。

 --- 参照 ---
(カット写真) JR苫小牧駅掲示のHokkePower
       苫小牧市の貝「ホッキ貝」イラスト: http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/itiba/index.htm
(1) http://shell.kwansei.ac.jp/~shell/pic_book/data05/hokki.html
(2) http://www.pref.aomori.jp/suisan/shiryou/pdf/mirai17.pdf
(3) http://hokki.jp/recipe/mukikata_t.htm


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