トップ頁へ>>>
魚の話  2006年5月19日
「魚」の目次へ>>>
 


いさきの話…

  釣り人の 昼餉を磯の 焼きいさき 藤田志洸

 イサキには魚偏の漢字がなく、伊佐木あるいは伊佐幾と書く。日本の正統な魚と見なされなかったのだろうか。
 中国語で鶏魚と書くそうで、そのまま日本でも通用するという。(1)

 背鰭が鶏冠に似ているのでついた名前なのだと。似ているとは思えないが、とがっていて、いかにも丈夫で立派な鰭ではある。

 イサキは初夏が旬という話が至るところで目につく。旬を外すと極端に味が落ちるという話も聞くが、本当なのだろうか。稚魚放流や養殖の時代には当てはまらないのではないかと思うのだが。

 もともと、淡白な白身魚でほとんど癖がない。身に脂がのっているのは年季が入った大物だけではなかろうか。脂はアラの方にたまるのだと思う。アラ鍋向きなのかもしれないが、骨が面倒だからお勧めはできないが。
 但し、淡白がウリといっても、小物の場合は、時として、ほのかな磯臭さを感じることがある。上品とは言えない訳だ。
 食材としては、地場の大衆魚という位置付けになろう。

 と言っても、魚好きなら、刺身だろうが、塩焼きだろうが、十分過ぎる位楽しめるだろう。
 しかし、名前から見て、中華料理向きな感じがする。そのなかでは、蒸しものが最高だと思う。蒸せば身は外しやすし、薬味で食べれば、結構いける。小ぶりなイサキは雑魚扱いのようで、極めて安価だから、中華風蒸しものは絶対にお勧めである。

 ところで、旬の話で気になったのだが、イサキの産卵期は梅雨の時期ではないのか。もしそうなら、その一寸前が食べ時だろう。産卵前なら、魚体の大きさに関係なく、美味しい筈である。
 それに、産卵期には大挙して群れるに違いない。そんな時は、比較的大きなものも獲りやすい筈だ。

 尚、釣り人によれば、大物は50cmになるという。大物になると脂ののりが断然違い、美味しさは格別だという。釣った喜びで味が深まっただけの可能性も無いとはいえないが、力の入れ方が違うので、味は相当違いそうだ。
 と言うのは、大物狙いは、夜に限ると言うからだ。イサキは夜行性らしいが、釣り人は全く逆である。それでも出かけていくところを見ると、余程のものに違いない。

 --- 参照 ---
(1) http://www.shunmaga.jp/zukan/gyokairui/isaki/isaki.htm


 「魚」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2006 RandDManagement.com