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魚の話  2006年7月7日
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はもの話…



  京都駅下車迷はずに鱧の皮  川崎展宏

 祇園祭と言えば、長刀鉾を先頭にした山鉾巡行と鱧料理である。

 どうして盆地の京都が海魚料理の本場なのか合点がいかぬところがある。
 一応の説明としては、京の都では、新鮮な海の魚が手に入らなったが、 生命力の強い鱧だけが例外だったとなっている。

 一寸海水があれば数日生きているという話を聞いたことがあるが、どこまで本当かは疑問だ。
 とはいえ、暑くなってくれば、鱗などなくて、細身の魚が強いのは当然かもしれぬ。
 しかし、同じ体型の穴子は、泥に棲むせいか、結構弱いようだが。

 ところで、鱧の一番の問題は、小骨が多いこと。そのままではとても食べれたものではない。
 そこで、骨切り技法等の美味しく食べる料理法が開発された訳だ。

 中骨を取った後、専用の包丁(1)で一寸毎に24箇所切り込みを入れて骨を切断し、皮だけは残すのだから、大変な仕事である。
 ここまでよくやるものだ、とつくづく思う。

 お蔭で、祇園で食べると目の玉がとび出るような値段だ。
 と言って、錦小路の魚屋から買って料理できるものでもない。

 素人が買うなら、「鱧の子」なる卵をお勧めしたい。

 ところで、京都では、内地産より、エサの豊富な東シナ海で育った韓国産が高値だという。(2)
 流石である。

 たいていの魚は、「国産」ラベルを貼るだけで高級品になるのだが、京都では、肥えた舌の評価で決まるのである。

 もっとも、関西では、結構リーズナブルな価格で鱧が食べられるそうである。
 と言うより、東京では鱧は余り人気がないので、高級品しかないということだろう。

 そのため、7月に入ると、交通費をかけて、わざわざ大阪に鱧を食べるために出向く人がいる。それでも東京で食べるより安いというのだから恐れ入る。

 これぞ“食いだおれ”精神ということだろうか。(3)

 --- 参照 ---
(1) http://www.houcho.com/html/hamo_1.html
(2) http://kafuu.jp/hamo.kuwasiku.html
(3) 鱧は自然主義文学にも登場する.
  上司小剣「鱧の皮」1914年発表
  大阪弁の世界. 当時, 称賛を浴びた.
  http://www.aozora.gr.jp/cards/000248/card1334.html [青空文庫]


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