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魚の話 2006年7月28日 |
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うみたなごの話…寒中の荒崎の岩に波しぶき浴びつつひとり海たなご釣る 中村(1) 本格的な装備なしでも、堤防や海藻が生えている小磯で釣りをすれば、かならずかかる魚が「ウミタナゴ」である。 しかも、一年中釣れる。寒中でも釣れるのである。 御蔭で、釣りの定番だが、海のそばの食堂に入っても、“海タナゴ定食”というお品書きを見かけないから不思議である。身が軟らかくて刺身には向かないし、小骨が多いから、食堂に嫌われるのだろうか。 なにせ、ネコのエサだと言う人もいるから、他の魚があるのに、なにもわざわざウミタナゴを食べなくてもということかもしれぬが。 もっとも、釣り人には結構人気がある。 塩焼きが抜群との主張もあるようだが、身が柔らかいから、煮付け向きだろう。新鮮なら、なんでもイケルと考えるべきかも知れぬが。 ただ、から揚げが伝統食になっている地域がある。(2) 味付けで雀の味に似るそうだから、一度食べてみたいものだ。雀が美味しい訳でもないから、是非にでも、とまではいかないが。 それに、釣り人にしてみれば、三浦半島辺りで年中よく釣れるものを、足蹴にしたくもなかろう。 市場に出しても人気が無いから、釣り人でも簡単に釣れるということかも知れぬが、そんな発言はしない方が無難である。 ところで、この魚は、色がピンクがかっていれば、小粒な鯛に似ている。そこで、つい“鯛そっくり”と言いいそうになる。 だが、これは、禁句である。 年中見ている釣り人は、瞬間的にウミタナゴだとわかるから、“鯛そっくり”などと言う人のセンスに愕然となる。以後相手にされなくなるかもしれないのである。 確かに、よく見れば鯛の顔とは違うし、口先も変わっている。頭もへこんだ感じだ。 しかし、それ以上に変わっていることがある。春に釣った時に限るのだが。 腹を割くと、なかから何匹もの透明な稚魚が出てきたりする。 いかにも貪欲な魚で、グロテスク感が漂う。 実は、この稚魚はウミタナゴの子供だという。驚いたことに、胎生魚なのだ。 そのため、この時期の釣りを避けたいと考える人もいるし、わざわざ出かけていって、腹の稚魚を取り出し、二杯酢で食べる酔狂な人もいるそうだ。(3) 魚食文化はイロイロである。 --- 参照 --- (1) 「新アララギ」投稿 佳作(選者:倉林美千子氏) http://www.shin-araragi.jp/toko_bn/bn_06/toko0602.htm (2) http://www.umai-aomori.jp/hanbai/bunka3/tai/tai090.htm (3) http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/umitanago/umitanago.html (カット) http://www.otomiya.com/sozai/sakana/hato.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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