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魚の話  2006年8月18日
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したびらめの話…

 舌平目 買わず飛び込む 料理店
  あまりの安さに、一瞬、買って料理するかと考えるのだが・・・

 舌平目は、ウシノシタ科に属す魚である。要するに、魚のギュータンということである。

 そのなかに「犬の舌」という名称の魚がいる。「猫の舌」はフランス菓子だが、そんな情緒がある訳ではない。ことさら珍しい魚ではなく、極く普通に見る舌平目である。市場では「赤」と呼ばれているそうだ。

 そう言われると、素人は、よく見る、赤味がかった舌平目のことだと思ってしまうかもしれないが、そうではない。
 赤舌平目という正式な名称の魚は別にいるのである。こちらが、日本における正統な舌平目という訳である。
 ところが、こちらは「青」と呼ばれるという。(1)

 尚、「黒」はクロウシノシタである。
 ドーバーソールに一番似ているが、部分品をよく見れば、素人でも相当違うことに気付く。
 などと言えるようになったのは、シタビラメ特売品がスーパーに並ぶようになって、見慣れてきたからである。今や、舌平目は高級魚とも言えない状況にある。
 もっとも、東南アジアで似た魚を見かけるが、ほとんど見向きもされていないから、本来はそんなものの筈である。

 当然ながら、スーバーの棚表示はシタビラメである。赤も青も黒も大差ないから、そんなもので十分だが、「牛の舌」とか、「犬の舌」と記載すると売れ行きがどうなるのか、一度見てみたい気もする。

 ところで、舌平目と言えば、すぐに白バターソースのムニエルとブルゴーニュのシャルドネの話になりがちだが、本格的な魚好きになると、一夜干しの薀蓄が始まるらしい。

 先ず、瀬戸内海産「干ゲタ」(2)を知っているか、と来る。
 と言ってもたいした食材ではない。漁港や底引網漁船の上で舌平目を寒風に晒して、半乾きにしただけ。
 これがどうした訳か入手難なのだ。・・・魚が獲れなくなっただけのことかもしれぬが。

 一夜干しだから、食べるのは簡単である。火で軽くあぶるだけ。
 そうすると、骨から身がはがれ易くなり、うっすらと脂が滲みでてくるらしい。お蔭で、食べるごとお酒が進むそうだ。

 シタビラメとは酒の肴なのである。

 --- 参照 ---
(1) www.pref.osaka.jp/osakana/gyogyou/sakana/inu.html
(2) http://www.pref.kagawa.jp/suisan/html/suisan/kagawanosakana/geta/geta.htm


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