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魚の話 2006年9月8日 |
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しゃみせんがいの話…三味線で 昔を偲ぶ 干潟かな 進化論者の駄作ミドリシャミセンガイは岡山県児島湾や有明海等に生息するとされている。 しかし、前者は埋め立てが進んで棲める状況にはなく、後者でどうやら生き残っている状況のようだ。 昔の有明では、特殊な漁具を使って、大量に獲ることができたそうだ。味噌汁の具や煮付けにして食べたそうだが、今は、余り獲れなくなり、食べ方も忘れ去られようとしているのだと。 シジミに似た味らしい。(1) 有明海沿岸には、日本に残る干潟の約4割があると言われ、その環境は悪化していると伝えられているから、(2)これから先が心配である。 珍しい生物だから、守ってあげたいとは思うが、干潟の砂の中に深くもぐって棲む種だから、海が汚れてくると生き延びるのは難しかろう。 珍しいというのは、名前の通り三味線型で、二枚の殻の端から柄が出ていて格好が面白いということではない。 殻は蝶番で左右に開くのではなく、身の腹と背に平たい殻が付いており、貝とは違うのだ。 → 「ミドリシャミセンガイの生体展示」 (C) 仙台市科学館 分類から言えば、軟体動物ではないのである。 貝だろうが、烏賊だろうが、軟体動物には、筋肉質の足と外套(ここからの分泌物が殻を形成)があり、その間の空間に内臓が入る。そこに口がついている。 ところが、貝に見えるミドリシャミセンガイには、殻の開口部に触手がある。 出自が違うのだ。 そこで、触手動物腕足類(3)とされている。 極めて特殊な種だ。 と言っても、軟体動物や甲殻類の系統(細胞分裂での凹みが腸と口になる.)に近いのか、哺乳類へと進化する系統(凹みは肛門で, 口は後から発生する.)に近いのか、はっきりわかってはいないようだが。 しかも、この貝の形態は、数億年前の化石(4)と全く同じなのだ。 これを聞けば、誰でも驚く。 多くが絶滅した腕足類のなかで、しぶとく生き延びてきたのである。 こんな珍しい貝だから、大森貝塚発見者で知られるEdward S. Morse博士(1838-1925)が、進化論の研究のため来日して、ミドリシャミセンガイを徹底的に調べたそうである。(5) --- 参照 --- (1) http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000139999990260 (2) http://www.wwf.or.jp/activity/marine/wetland/ariake/index.htm (3) 腕足類:約6億年前の古生代に出現した小さな海産動物 (4) http://webkoukai-server.kumamoto-kmm.ed.jp/web/kids/k_chisitu/ksk_kos_004.htm (5) http://www.mus.city.fujisawa.kanagawa.jp/docs/alacarte/enoshima/people/d01_03.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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