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魚の話 2006年10月20日 |
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かめのての話…ガウディも カメノテ頭に かなうまい 生物の構造は凄い夏、デパ地下で「亀の手」を見かけた。 恐るべし、日本人の胃袋。 カメノテは、海辺なら、どこにでもいるような生物であるが、意外とその名前は知られていない。 ましてや、食べ物とは思われていなかった筈だが。 と言われても、たいていの人は、分からない。しかし、説明を聞くと先ず間違いなく、アレか、ということになる。綺麗な海なら、海辺の岩の隙間にびっしりと生息している輩だからである。 遠目には貝もどきに映るが、良く見ると大小の殻で覆われており、軟体動物とは全く違う。 分類上では甲殻類だと言えば、合点がいくと思う。フジツボの仲間なのだ。 気になっていたので、岩を見に行ったのだが、なかなか見つからない。海がそれほど汚れたとも思えないのに。 どうも、最近は、小粒の小集団しかいないようだ。 う〜む。 ついに、ここまできたか。 もともと、都会の住民は、こんな生物など相手にしていなかった。(1) ところが、次第に、茹でたものが売られたり、訳知り人が、ビールのつまみとして結構いけるという話を伝えたので、大きなものは獲られてしまったのだと思う。 まあ酒飲みなら、歯ごたえがあればなんでも肴にしてしまうから致し方ないかもしれぬが。 しかし、イケル味などと言われてしまうと、亀の手君は手の打ちようがない。 岩に固着しているように見えるが、手で簡単に剥がせるからだ。なかには、バケツ一杯収穫する人もでてくるだろう。皆に試されたりしたら、それこそ絶滅の危機に瀕しかねない。 いかにも成長が遅そうな生物だから心配である。 こんなものを食べるのは、日本人くらいかと思っていたら、スペインの港町CORMEでは極く普通の食べ物としてずっと愛されてきたという。(2) そんなところも、カメノテを食べたくなる所以かもしれないが。 毎年、7月には“FESTA DO PERCEBE”(3)まである。ここまで町中で入れ込めば本物である。 もっとも、貝、海老、蟹、蛸大好き人間ばかりだろうから、たいして驚く話ではないだろうが。 要するに、“PERCEBE”をじっくり味わうというのではなく、茹で汁をとばしながら、ぶちぶち皮を剥き、スペイン最高の辛口白と言われる“Ribeiro”を大きなお猪口で飲み続けることが愉しみなのである。海の幸好きな酒飲みの考えることは、どこでも同じだから、想像がつく。 スペイン料理が流行るのは結構だが、亀の手ブームは避けて欲しいものだ。 --- 参照 --- (1) “カメノテ──見た目には亀の手だけど味はエビ” 山下欣二「海の味 ─異色の食習慣探訪─ 」八坂書房1998年 (2) http://www.corme.net/galego/estatic/opercebe.htm (3) http://www.corme.net/galego/ventanaaviso.htm --- 注記[2007.2.12] --- 磯の岩の隙間にびっしりついて採りにくいが、みそ汁にいれて食べる地方(宮崎県北部地域など)もあるようだ。 但し、相当にきれいな海でないと安心できず、あまり採らない地域や内海のものは食べない方が無難だそうだ。 (「日向市ふるさとの自然を守る会」より) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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