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魚の話  2006年11月24日
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ぶりの話…

  頭なき 鰤が路上に 血を流す  山口誓子

 良く知られるように、ブリは出世魚。
 成長段階で名前が変わっていくとされる。ただ、地域で、その名前が全く違う。ところが、どういう訳か、成魚名だけはブリで同じである。

 う〜む。

 口には出さないが、釣り人は、成長段階で名称が変わる魚とは思っていないのではないか。それは、本での知識にすぎない。
 釣りなら、即、季節名に繋がるからである。言うまでもなく、初夏は「ワカシ」、夏は「イナダ」、秋は「ワラサ」である。寒い冬はお休み、と言うか、成魚の寒鰤は大きすぎるし、沖合いでしか獲れないから、手に余る訳だ。

 成長段階で名前が変わると言うが、不思議なことに、東京で、魚屋に並ぶのは、「ブリ」と「ハマチ」ばかり。「ハマチ」は、関東では使われず、関西の呼び名とされているのに。

 現実には、東京では「ハマチ」は「ブリ」以上に流通している。大きさから言えば、「イナダ」と「ワラサ」に相当する感じだ。
 どうしてこんな変則的な状態になったかと言えば、養殖モノ「ハマチ」が東京市場を席巻したからである。お蔭で、「ハマチ」は一般名としての地位を確立している。今では、天然「ハマチ」表示も増えており、「イナダ」や「ワラサ」は消えていく運命にあるのかもしれない。
 早いはなし、名称など売りやすさで決まる。

 そもそも、「メジロ」でなく、「ハマチ」が出回ったのも、養殖成長にかかる費用と、価格のパフォーマンスを考えると、一番よかったからだろう。

 消費者心理では、「ハマチ」は刺身用の魚の名称だ。一尾モノのサクが嬉しいから、この程度の大きさが手頃なのだ。
 一方、「ブリ」は照り焼き用切身の魚と言えよう。養殖「ハマチ」は脂がのっているから、照り焼き用切身にすると、「ブリ」表示に変わる可能性は高い。

 ただ、両者の違いがはっきりわかると言われるのがアラの質。「鰤大根」はなんといっても成魚だそうだ。小ぶりな「ハマチ」は料理し易いが、なんとなく若者の青臭さが残る。これはあかん、らしい。

 冬のブリは日本海産と言うのも、もともとは関西での話しらしいが、東京でも通説化している。
 一寸脂がのり過ぎている感じもするが、天然ものなので人気があるようだ。北陸モノというだけでお値段はお高くなるのである。

 港でいえば、富山の氷見、石川の宇出津や七尾が中心らしいが、ブランド力では、沖合いの定置網で獲る「氷見ブリ(1)」が群を抜いているようだ。

 --- 参照 ---
(1) http://www.city.himi.toyama.jp/kankozyouhou/sakana/buriiwashi/buriiwashi.html
 

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