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魚の話  2007年1月26日
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ねずみごち の話…

  天麩羅膳 捨てたメゴチを 思い出し  サクサク感で, 突然, 夏の釣果話に.

 ネズミゴチと言う名前を聞くと、溝鼠のような薄汚い印象を与えかねないが、普通はメゴチと呼ばれており、れっきとした高級魚である。
 天麩羅屋ではキス、穴子と並ぶ人気種だ。
 ハゼを大きくした高級バーションというと、天麩羅通に、痛く叱られるかもしれぬが、感覚的にはそんなところではなかろうか。

 ところで、名称から、コチの一種だと思っていたが、ネズッポだという。ネズッポと言われてもピンとこないが、魚の主流派スズキ目だ。粘液を出す体質だから、スズキさん一家とは縁遠そうなのだが。
 コチはマイナーなカサゴ目。素人目にも、ネズミゴチはカサゴによく似ているから、こちらに所属しそうなものだが、そうではないのだ。

 ついでながら、スズキ目のコチ君もいる。由緒正しい家系なのか、マゴチと呼ばれている。
 魚の分類は、なんとも、わかりづらい。

 天麩羅屋に「めごち」として登場するのは、ネズミゴチが多いらしいが、ヌメリゴチやトビヌメリといった聞き慣れない魚も入っているのだと。
 ・・・と聞かされても、どう違うのかはよくわからないが。
 それに、ネズミゴチ自体も、見かけが違うものが多いからである。

 こんなことがわかってくると、「メゴチ」は天麩羅屋が作った登録商標のような気になってくる。
 しかし、そんなことを言うと、釣り人に素人扱いされるかも知れない。なにせ、メゴチはよく知られているからだ。
 と言っても、シロギス釣りの外道の代表選手というだけ。不人気甚だしい魚である。

 但し、シロギスの優美な姿とかけ離れているから、嫌われている訳ではない。ねばねばしている上、棘があって取り扱いが厄介だからである。
 と言うより、綺麗な砂地で釣ると、簡単にかかってきて、面白くない魚なのだ。
 そんなこともあり、たいていは、その辺に放置されっぱなし。干物になって転がっているのを見ることも多い。まことに可哀想な魚である。

 ・・・と語る人は、“釣りを始めて間もない『へたくそ』”(1)だそうである。
 『ベテランのうまい釣り師』は、「女ごち」は「いい外道」として大切にお持ち帰りになるらしい。
 ふ〜む、そんなものか。

 そんな話を聞かされても、ヌルヌルを取るだけで面倒くさそうで、食指が働かない。それに、キスと同居させたら、キスが死んでしまうのではないのか。

 もっとも、食材としてでなく、水族館で眺めて楽しむなら、お勧めの一匹である。
 砂地に棲んでいるだけあって、その泳ぎはスムースで美しい。口もとも小さく、ネズミ顔とは思えない。ただ、二十日ネズミのように、目がパッチリしている感じはするが。
 魚好きの贔屓目かも知れぬが、見飽きない。

 「ネズミゴチ」イラストのパソコン用壁紙プレゼントがあるのところを見ると、ファンもいるのかも知れぬ。
  →  どうぶつ奇想天外! さかなクン的☆パソコン用壁紙!  2000年7月 (C) TBS

 --- 参照 ---
(1) http://www.zukan-bouz.com/suzuki/nezuppo/nezupo.html


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