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魚の話  2007年2月16日
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いとよ の話…

  その昔 ムサシトミヨは 泳いでた  「ぼくらができること」(1)を改定

 イトヨとは、背鰭に棘があるトゲウオ科の魚である。棘は3本だけで、お仲間にはハリヨがいる。棘が沢山あるのはトミヨ。

 これらの魚の名前は、意外にも、よく知られているようだ。生態が面白いので、紹介されることが多いからだろう。
  → 「イトヨの里 DVD Web シアター」 (C)本願清水イトヨの里

 縄張りは珍しくないが、そこに水草を集めて巣を作る魚は聞いたことがない。流れがある水中で口でくわえて運ぶのだから、結構大変な作業だ。そこまで頑張らなくても、と思うが。
 人気が湧く原因は、巣作りは雄という点。素敵な建築物を誇示して雌を呼び込み、産卵してもらい、後は孵化まで雄が卵を守るのだ。その結果、雄は短命。
 そんな健気な父親にシンパシーを感じる人は多いようで、トミオの韓国名「カシコギ」をタイトルにしたドラマが大当たりした。(2)

 もっとも、そんなタイプは今や絶滅が危惧されているのだが。

 “トゲウオの仲間は湧水池や湧水を水源とするような水が清澄で、低水温域に生息する。そのため、湧水の枯渇や生息地の開発、水質の悪化などにより減少の一途をたどっている。日本産トミヨ類中最も南に生息していたミナミトミヨは1950年頃に絶滅した。その他の種も絶滅の危機に瀕しているものが多い。”(3)

 清澄な水など限られているから、地域毎にどうやら種が残るといった状況に至っているらしい。
 例えば、ムサシトミヨは埼玉県の魚とされ、世界でここだけにしかいない。(4)
 陸封型イトヨも、大野市糸魚町本願清水、栃木県大田原市付近、福島県会津地方、辺りに絞られてきたようだ。

 もっとも、海に出て、川に戻るイトヨは、まだそこまでは来ていないようで、 “唐揚げにして食べるのが一般的”(5)らしい。

 --- 参照 ---
(1) 「ぼくらができること」中村朋子 作詞・作曲、山本文茂 補作 http://www.sayada-e.ed.jp/musasiuta1.htm
(2) 2000年に韓国MBCでドラマ化され人気爆発. 原作本も160万部以上の売れ行き. 「カシコギ・シンドローム」と呼ばれた.
  http://www.fbs.co.jp/thorn-fish/kashikogi.html
(3) http://www.maff.go.jp/nouson/mizu_midori/page/129.html
(4) http://www.parks.or.jp/suizokukan/SaitamaAquarium/kaisetsu/kaisetsu.htm
(5) http://www.zukan-bouz.com/fish/togeuo/itoyo.html


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