トップ頁へ>>> |
魚の話 2007年2月23日 |
「魚」の目次へ>>> |
|
きんめだい の話…行春や 金目の目にも 涙かな 芭蕉風にこだわるなら涙でなく泪キンメは、年がら年中魚屋にでている、えらくポピューラーな魚だ。といっても、結構なお値段で大衆魚とは言い難い。 もっとも、最近は輸入の半身売りが登場したため、驚くほど安価なものも並ぶが。 値段が高いのも無理はない。 水深数百メートルに棲み浮き上がってはこない魚だからである。もともとは一本釣だったようだが、今は底立てはえなわ釣りなのだという。(1) 下田では、キンメ獲りは昭和50年頃から始まったらしいが、おそらく、美味しい魚が余りいなくなってきたから、深海魚に手を出さざるを得なくなったということだと思う。 江戸の頃には、食べるどころか、見たことがない魚だった筈である。 そのうち、キンメにも滅多にお目にかかれなくなることだろう。 伊豆に遊びに行くと、必ずと言ってよいほど、地物のキンメの煮付けが登場する。新鮮な魚料理は嬉しいものだが、時として、下手に味付けされたものを供されることもあり、そうなるとがっかりである。 煮付けに飽きた人には、シャブシャブという手もあるが、折角の美味しさを消すような食べ方にも思える。 本当に美味しいのは、そんな料理ではなく、あら鍋ではなかろうか。魚屋のショーケースの端を覗いて、いかにも新鮮そうな大きな目玉を見つけたら幸運である。不思議なことにたいていは安い。そんな時は、切身もついでに買って鍋に一緒入れるのも一案。注意することといえば、出汁に入れることと、余計なものを入れて味を変えないこと。葱と豆腐で、最高の味を愉しむことができる。言うまでもないが、目玉辺りや頬が一級品。 こんな料理を好むからかは知らぬが、キンメ釣りに挑戦する人も多い。(2) 500mの水深から、魚を引き上げるのだから、それこそ重労働である。電動リールがあるとはいえ、250号の錘と1Kgもの魚を一時に深海からあげるのは並大抵ではない。これで20本を狙うというのである。 しかも、早朝でないと釣果は期待薄。好きとはいえ、たいしたものだ。 これを見て、船頭七分で釣り手は三分と揶揄する磯釣り天狗もいるようだが。 --- 参照 --- (1) http://www.jf-net.ne.jp/soshimogyo/q&a/Q&A1.2.3.4/Q&A%20kinme1.htm (2) http://members.jcom.home.ne.jp/kairinmaru/chouhou/kinme.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2007 RandDManagement.com |