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魚の話  2007年3月2日
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かえるうお の話…

  漣の 中に動かず 蛙の目  川端茅舎

 カエルウオを正面から顔を眺めると、丸い目玉が印象的で、確かに蛙っぽい。名前の通りだ。
 磯遊びに無縁だった人には珍しい魚のようだが、浅い岩場や潮だまりをじっくり観察していれば、寒い地方は別だが、大概は見つかる筈だ。小さな穴から顔を出したりしている魚だから、すぐにはわからないかも知れぬが。
 もっとも、機嫌が良い時には、岩の上をちょこちょこ動き回ったりしているようだし、群れているのを見たという人もいる。

 この魚、結構人気があるようだ。
 おそらく、大きな目で、きょとんとした風体でヒトをじっと見つめているからだろう。そこで、つい追いかけたりするが、尾の力でジャンプして逃げる。追いかけっこ遊びをしている気になり、面白いのだろう。

 ただ、カエルウオと言っても、様々な種がいるようだ。
  イシガキカエルウオ, ミノカエルウオ, アミメミノカエルウオ,
  ハナカエルウオ, モンツキカエルウオ, タマカエルウオ(1)

 このうち、タマカエルウオは、水の中に入ることはほとんどないという。
 実際、海水をかぶったりすると、驚いてあせりまくるそうだ。急遽、ピョと跳ねて水から逃げるのである。と言って、濡れている場所から離れることはない。どうも、皮膚呼吸ができるらしい。
 浅い岩場で岩にへばりついた海藻をかじりながら暮らしているとされているが、葛西臨海水族園在住のタマカエルウオ君は、エビのミンチを喜ぶというから、あるものを食べるということのようだ。(2)

 ダイバーに人気があるのは、イシガキカエルウオだ。折角、深い海に潜れるのに、アクアラングがいらない浅い海で棲む魚を観察するのは、“可愛い”かららしい。キョロキョロしながら、狭いところをチョロチョロと動くのを見ていると飽きないということだろうが。
 もっとも、そのお蔭で撮影は大変だったそうである。・・・見る方にとっては、愉しい3分間にすぎぬが。
  → 個夢劇場 沖縄の海の生き物「イシガキカエルウオ」 [video] (C) Oen Co.

 --- 参照 ---
(1) 写真付 http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~fish/texts/Blenniidae_2.html
(2) 正面写真あり http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=162


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