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魚の話  2007年3月16日
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たかべ の話…

  夕餉にと たかべに塩ふり たのしみぬ  七輪での焼き魚もおつなもの

 タカベは、東京では、伊豆七島モノとされている。小さいタカベは獲らないとの決まりまで作ったくらいだから、東京都の代表と言ってもよいかもしれない。
 但し、岩礁が好きだから東京湾には棲んでいないだろうが。

 都民でも、意外と、この名前を知らない人が多いが、小太りの鯵の感じで、目から尾まで鮮やかな黄色の線がある魚と言えば、“ああ、アレか”ということになる。
 “地物”とか“伊豆産”と書いてあり、結構なお値段がついていていることが多い。
 ただ、値段が高くても、一度、脂ののった夏のタカベを塩焼きで味わった人は、どうしても手が伸びそうになる。お蔭で、なかなか安売りにはならない。
 (もっとも、冷酒と合うから人気があるのだという説や、最近は余り獲れなくなったので価格が高止まりしているとか言われているようだ。)

 但し、高価なのは、目が輝いている新鮮なものだけ。どろりとした目になってくると、スーパーでもすぐに特価品扱い。こうなると黄色のラインも余り目立たなくなり、本来のタカベらしさは失せてしまう。
 言うまでもないが、味も違う。

 ここがポイント。
 獲りたてが美味いなら、釣りに最適、ということになる。

 赤アミを餌にしたサビキ釣りだから特に道具が必要という訳ではないし、熱海の堤防でも年中釣れるという釣り人の話もあるから、挑戦したくなる。
 しかし、タカベ釣りの話は余り耳にしない。こんな時は、要注意。

 この魚、実は、群れる魚姿がよく見えたりする。ところが、姿は見えても、さっぱり食いつかなかったりする。こうなると、気分が悪いご帰還間違いなし。釣れない釣堀の方がまし、という捨て台詞を吐くことになりかねないのだ。
 オット、正確に言えば、ボウズではなかった。
 餌を撒くから、他の魚がよってきてしまうのだ。それでも、肝心のタカベ君の方は全くの知らん顔。なかなかの知恵者なのだ。

 それに、どういう訳か、魚姿は大きいのに、釣れるのは、とても塩焼きにする気にならない小物だったりする。
 年中堤防で釣っているという話も、大物釣り用の餌の調達を兼ねていることが多い。釣れるなどと期待して行くとがっかりさせられるかも知れぬ。

 まあ、その位だから、獲り尽されず、群れていられるのかもしれないが。


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