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魚の話 2007年6月1日 |
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おおかみうお の話…狼の 出てくる童話 子を寝かす 芝尚子 「あを」 狼魚と、ずいぶん怖そうな名前がついているので、水族館に行ってお会いしてきたが、そんなお方ではない。しわくちゃで大きな顔を、水槽前面に向け、のんびりとお昼寝を決め込んでいた。 → 三浦晴彦 おさかなコラム No.10「オオカミウオ 」 (C) PRINCE HOTELS 岩穴がない水槽に入れられているから、底にいるしかないのだろうが、その表情はおだやかそのもの。敵もいないし、のんびりした生活を送っていそうだ。野生の緊張感は全く感じられない。狼というよりは、老犬に近い。 この魚、人になつくタイプのようで、なかなか可愛い。 おそらく水族館の人気者だ。 水族館は飼わざるを得ないだろうが、体は大きいし、高価なウニ・エビ・カニを喜んで食べるそうだから、食餌にはえらくお金がかかりそうだ。狼魚君の人集め能力に、水族館ビジネスの浮沈がかかっている、というほどではないかも知れないが。 と言っても美食家という訳ではなく、顎が張っており、歯が丈夫なので、他の魚が苦手とする殻を簡単に噛み砕けるから。 もっとも、“胃からは大量のトゲクリガニ、ホタテの貝殻が1キロ近く入っていた”(1)という話もある。寒い海でじっとしている割りに、大食漢だ。そんなに食べても、他人事ながら、大丈夫なのだろうかと思ってしまう。 アイヌ民族の「神の魚」になっている話を見かけるが、出典が記載されていないし、理由が定かでないのでよくわからぬ。“kamuycep”とは「生活に必要不可欠な魚であって、神が人間に与えた」(2)という定義らしいが、それだと当てはまるのか疑問が湧く。 それに、「神の魚」なら、英語名「Wolf」(3)の翻訳バージョンの「狼」を止め、「大神」の方がよさそうだ。
この魚、日本では、一般的な食材とは見なされていないようだ。日本の周りには、美味しい魚が豊富だから、わざわざ食べる気にならなかったということだろう。 しかし、北欧では一般的な食材になっているらしい。 もっとも、白身魚なら、ソースさえ美味しければ、オーブン焼きで絶品料理ができるから、特別なレシピなど不要だろう。 と言うのは失礼かも知れぬ。アイスランドでは重要な漁獲資源なのだ。(4)北欧では結構な量を食べているのは間違いなさそうである。 なにせ、皮で靴を作ったりする位だ。(5) --- 参照 --- (1) http://www.zukan-bouz.com/suzuki/gengeamoku/sonota/ookamiuo.html (2) [白老のアイヌ語単語集] http://www.geocities.jp/ainuitak/jpind.xls (3) http://www.fishbase.org/summary/speciessummary.php?id=2501 (4) “State of Marine Stock in Icelandic waters 2004/2005 [2.13 Wolffish]” http://www.hafro.is/Astand/2005/engl-sum-05.pdf (5) http://www.footandtoy.jp/event/2000/01/syokai/lpic/pwo (6) http://www.recipezaar.com/133656 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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