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魚の話  2007年7月13日
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あおのり の話…

 焼きソバの 上に舞い散る 青海苔粉
   最近は「あおさ粉」と記載されているものもあるが


 アオノリとは、本来なら筋青海苔をさすらしいが、ほとんど取れないらしい。比較的獲れる青海苔は薄葉青海苔だが、これもそう多くないという。そのため、青海苔粉となっていても、中身はアナアオサだという。
 味の方はどの程度違うかはよくわからないが、アオサ類ならたいして変わらないようだ。と言っても、品質の差が小さという意味ではない。要するに、種類の違いより、採取時期や、育った場所の違いの影響が大きいということ。

アオサ目の食用海苔
アオサ科
アオノリ属
平青海苔
薄葉青海苔
棒青海苔
筋青海苔
アオサ科
アオサ属
アナアオサ(穴)
リボンアオサ
オオバアオサ
ヒトエグサ科 一重草
 一方、袋入りの乾燥青海苔は、糸状だから棒青海苔が正統品に違いない。

 緑色の藻(緑藻類)では、アオサ科のアオサ属とアオノリ属が食用になっている訳だが、一重草(ヒトエグサ科)も海苔の佃煮になっているようだ。佃煮は緑色ではないから、そんなことに気付かないが。
 ただ、この藻は、西日本ではアオサとみなされ、乾燥青海苔として広く供されているそうだ。(1)

 素人にはどうなっているのかよくわからない分類だが、藻類とは魚類とは違い、そんなものらしい。
 分類は専門家の世界ということ。
 素人が図鑑を持参して、藻類を見たところで、すぐに判明するというものではないようだ。
 と言うのは、“個体によって形や大きさが大きく異なる上、生育環境によっても形態が変化し、体のつくりが単純で形態的特徴も少ない”(2)からである。

緑藻網[食用]
-目- -科-
アオサ アオサ
ヒトエグサ
ミル ミル
イワズタ イワズタ
 しかし、ともかく、緑の藻で、葉のようになっていたら、まあアオサのたぐいと見て間違いはなさそうだが。
 他の緑藻といえば、たいていは淡水もの。
 従って、アオサ以外の海産品緑藻としては、時々見かける、乾燥品の「海松」位かも。珍味扱いのようだが、たいした食材にも思えないが。これはミル科だそうである。

 おっと失礼、肝心な海藻を忘れるところだった。
 沖縄の「海ぶどう」。野葡萄のような小さな粒々が沢山ついている、緑色の海藻。常温で腐らないためか、沖縄では、いたるところで売られている。個人的には、食感を楽しむ食品という印象しかなく、好みではないが、人気商品のようだ。これは、イワヅタ科クビレヅタ。この海藻も環境で形態が大きく変わるので、素人には種の判定など無理だという。(3)

 そういえば、沖縄ではアオサ類を「アーサー」と呼んでいる。商品のラベル表示は、アーサかアオサになっているが、海藻の正式名称をたずねると「一重草」だそうである。
 島豆腐と一緒に鰹出汁の味噌汁にしたり、天麩羅や、玉子焼きに入れるなど、極く普通の食材として広く使われている。それだけでなく、祝いごとの時にも、なくてはならないと聞いたこともある。
 この海藻食こそが、沖縄が長寿だった秘訣と睨んでいるのだが。

 --- 参照 ---
(1) http://www.zukan-bouz.com/kaisou/ryokusou/hitoegusa.html
(2) http://www.fishexp.pref.hokkaido.jp/exp/central/report/dayori/dayori69/069-01.pdf
(3) http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/01119/contents/0017.htm


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