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魚の話 2007年8月17日 |
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わかめ の話…若布食べ 磯の記憶を 呼び覚ます 若布と豆腐の味噌汁は和食の最高峰ではないかと思っているのだが 若布は日本の特産と聞かされていたが、北海道東部や、本州の南部太平洋岸には余り生息していないらしい。他の海藻との競合でこうなるのだろうか。 ただ、ワカメといっても、普段見かけるワカメ以外に、ヒロメ、アオワカメの2種がある。アオワカメは形状が昆布と同じ広葉。ヒロメは団扇状。どちらも、若布という感じではない。アオワカメは、九州に多く、ヒロメは瀬戸内海や紀伊半島に生えているそうだが、両方とも余り食用にはされていないとのこと。(1) ただ、春先に漁師町に行くと、葉のくびれが無いワカメをしゃぶしゃぶにして食べさせてくれることがある。深いところに生えているが、浜に打ち上げられるモノを獲るという。特徴は、驚くほど柔らかいこと。湯に入れると、一瞬のうちに緑色になるので、いかにも、若“芽”の感じがして嬉しい。時期を逃すと、硬くてとても食べられないそうだ。 生は、地元では、結構食べられているのではなかろうか。 おそらく柔らかすぎて、利用しにくいのだろうが、加工の手間を考えると、広葉の方が便利そうだから、そのうち変わるかも。 もっとも、現在の生産地は中国(主に大連)だから、そう大きな変化はないかも知れないが。 尚、国産のシェアは3割程度とされている。どのように量を測るか疑問だが。昆布と違い輸入規制が無いから、この先も、国産ワカメは減少一途だろう。 ただ、渦潮の鳴門とリアス式海岸の三陸の名称の商品はよく見かけるから、ブランド化が成功していそうだ。 両者の差はよくわからないが、北方モノは外海だから丈夫で、南方モノは薄手ということだろうか。 よく考えれば、こうしたブランド化は江戸時代にすでに始まっていた。江戸の特産品イメージ復活といったところか。 そもそも、鳴門若布が普及したのは、江戸時代の技術開発のお蔭。前川文太郎が、青々とした緑色を出すために「灰干し」技術を生み出した。(2)現在は、草木灰は入手難なので、もっぱら、塩蔵か活性炭による乾燥だが。 塩蔵若布は昔からあったろうが、梅雨以降の、黴の防止は難しかったと思われる。従って、流通はもっぱら乾燥若布の筈だ。 どう特徴を出すか、知恵を絞ったのは間違いない。(3) これが、なかなかすごい。 南部(三陸)名物は、細かく刻んで干した抄き若布。厚手モノが多かったのだろうか。 伊勢志摩では、茎を取り去り、糸状にして粉葺き状態にしたようだ。そのままでは、上質ではなかったのかも知れぬ。それを加工することで、美味しい味を実現し、名産にしたのだと思う。 紀州(加田)は漉紙状にして、海苔同様に、肴になるようにした。柔らかい葉を選び、淡水で徹底的に洗浄して仕上げるのだから、えらい手間である。 出雲のように、重ねて板にしたものもある。あぶって粉にして使うそうである。簡単に作れるものではなさそうだ。 尚、対馬では、アオワカメをワニコンブとして特産にしたという。 こんな面倒なことまでして生き残る必要がなくなってしまい、こうした商品は廃れてしまったということだろうか。 --- 参照 --- (1) http://www.rikenfood.co.jp/wakame/06.html (2) http://www.tokushima.info.maff.go.jp/tokusanhin/wakame.pdf (3) http://www.gscorpo.co.jp/wakame/wakame_hanasi.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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