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魚の話 2007年10月19日 |
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かぶとがに の話…兜蟹 探す人あり 干潟奥 エコツアーは流行っているそうだが
しかも、干潟の生物だから、干潟の減少とともに絶滅必至のイメージが出来上がっており、マスコミもカブトガニ保護の話をよく取り上げるようである。 ここまで保護活動が活発になってきた源は、一冊の新書だったようである。(1) ただ、カブトガニを「守る会」でなく、「研究懇話会」という名称で運動が立ち上がったようなので、不思議に感じていた。研究者の情報交換の場を意味しそうな名前だからである。 しかし、言われてみれば、当然かも知れない。 “まずカブトガニの実態をよく調べることが大切”で、“長い目で見るとその方が確実に保護につながる”というのである。(2) ただ、瀬戸内海は、干潟を元のように戻すのは難しかろう。 それよりは、長崎県を『日本最後かもしれないカブトガニの楽園』(3)にすべく注力した方が現実的な感じがするが。 カブトガニは、独特な生物というイメージが強いが、硬い殻で覆われ、体が節で分かれており、関節がある足を持つ動物という見方で考えれば、そんな生物は至る所に棲んでおり、まさに多種 多様。 お蔭で、分類も錯綜しがちだ。 と言うのは、カブトガニは、化石上の生物、三葉虫と同類と教えられた覚えがあるが、現在は、そうとも言えないとされているからだ。 カブトムシ(昆虫類[甲虫])、カブトエビ(甲殻類)、カシラエビ(甲殻類)、は形が似てはいるが、これらは頭部に顎と触角を持っているから別と見なすようだ。三葉虫にも触角があるし、カブトガニが持つハサミのような足もないから、近縁とは言えないということらしい。もっとも、顎が無い点では同じだが。 結局のところ、カブトガニの一番の縁者は、化石でしか見られない巨大生物ウミサソリになるらしい。そうなると、遠戚は蜘蛛・蠍の類になる。 ただ、幼生時に、三葉虫とそっくりな時代をすごすのは確かだ。源は同じであるのは間違いあるまい。 親は頑丈そうな兜の形なので、いかにも動きが鈍そうだが、子供の時の泳ぎはなかなかのものである。動きも可愛い。この様子から見ると、大きくなっても、背泳は結構得意なのではなかろうか。 こんな生物が、数億年前の海には沢山棲んでいた訳だ。・・・ビデオクリップを見ていると、頭が、化石の時代にとんでいってしまう。 そういえば、宮崎県五ヶ瀬町大字鞍岡にある、祇園山(1,307m)の山頂付近の石灰岩から、4億3千万年前(シルル紀)に生息していた三葉虫などの化石が出土している。九州島が海面下にあった当時、最初に海面から顔を出した地とされている。(4) ここは、高千穂神社から南西15kmに位置する峰だ。どうしても、古事記の記述を思い出してしまう。 まあ、堅い話はそのへんでお開きにして、音楽でも。・・・ → The Horseshoe Crab のテーマソング頁>>> “Just Flip `em!”(R) (5分49秒) (C) Janine Kelly 2001 --- 参照 --- (1) 関口晃一: 『カブトガニの不思議 「生きている化石」は警告する』 岩波新書 1991年[品切] http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/0/4301920.html (2) http://www.shizensaisei.jp/case/ca_k5_c.html (3) http://www.pref.nagasaki.jp/sizen/4sunameri/002/13/13.htm (4) http://eco.pref.miyazaki.jp/gakusyu/himuka/himuka-58/02.htm (他) 御幡正章氏が維新NETサーバで卵-1齢幼生・2齢・3齢・4齢のvideoを公開していたが残念ながら2007年8月末閉鎖 (Tachypleus イラスト) (C) ぱれおんとろじぃ http://paleontology.ac/index.html 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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