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魚の話  2007年10月19日
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かぶとがに の話…


 兜蟹 探す人あり 干潟奥

  エコツアーは流行っているそうだが


■■■ 日本のカブトガニ生息情報 ■■■
〜岡山県〜
笠岡市[笠岡湾] 「市立カブトガニ博物館」>>>
日生町
〜広島県〜
竹原市[吉名町竜島] “生物の宝庫 迫る開発/
竜島残映”>>>
尾道市, 江田島町
〜山口県〜
山口市
[秋穂湾・山口湾・二島]
市立秋穂中「カブトガニ情報」>>>
「山口カブトガニ研究懇話会」>>>
熊毛群平生町 「生きた化石『カブトガニ』」>>>
山陽町, 下関市[玉喜海岸]
〜愛媛県〜
西条市[河原津海岸] 「西条市のカブトガニ」>>>
〜福岡県〜
北九州市[曾根干潟] “カブトガニ/
アオノリ類漂着で危機”>>>
福岡市
[加布里湾・津屋崎・今津湾]
「カブトガニの保全及び
生息調査」>>>
〜長崎県〜
[大村湾] 「大村湾のカブトガニ」>>>
〜佐賀県〜
伊万里市
[伊万里湾・多々良海岸]
「県立伊万里高生物部」>>>
「伊万里湾のカブトガニ」>>>
〜大分県〜
杵築市[守江湾] “復活待つ干潟の象徴/
カブトガニの町”>>>
中津市[中津干潟] 「水辺に遊ぶ会」>>>
 カブトガニには、古生物の生き残りの趣がある。たいがいの人は学校で標本を見せてもらうから、結構、ポピュラーな生物である。
 しかも、干潟の生物だから、干潟の減少とともに絶滅必至のイメージが出来上がっており、マスコミもカブトガニ保護の話をよく取り上げるようである。
 ここまで保護活動が活発になってきた源は、一冊の新書だったようである。(1)

 ただ、カブトガニを「守る会」でなく、「研究懇話会」という名称で運動が立ち上がったようなので、不思議に感じていた。研究者の情報交換の場を意味しそうな名前だからである。  しかし、言われてみれば、当然かも知れない。  “まずカブトガニの実態をよく調べることが大切”で、“長い目で見るとその方が確実に保護につながる”というのである。(2)

 ただ、瀬戸内海は、干潟を元のように戻すのは難しかろう。
 それよりは、長崎県を『日本最後かもしれないカブトガニの楽園』(3)にすべく注力した方が現実的な感じがするが。

 カブトガニは、独特な生物というイメージが強いが、硬い殻で覆われ、体が節で分かれており、関節がある足を持つ動物という見方で考えれば、そんな生物は至る所に棲んでおり、まさに多種 多様。
 お蔭で、分類も錯綜しがちだ。
 と言うのは、カブトガニは、化石上の生物、三葉虫と同類と教えられた覚えがあるが、現在は、そうとも言えないとされているからだ。
 カブトムシ(昆虫類[甲虫])、カブトエビ(甲殻類)、カシラエビ(甲殻類)、は形が似てはいるが、これらは頭部に顎と触角を持っているから別と見なすようだ。三葉虫にも触角があるし、カブトガニが持つハサミのような足もないから、近縁とは言えないということらしい。もっとも、顎が無い点では同じだが。

 結局のところ、カブトガニの一番の縁者は、化石でしか見られない巨大生物ウミサソリになるらしい。そうなると、遠戚は蜘蛛・蠍の類になる。

 ただ、幼生時に、三葉虫とそっくりな時代をすごすのは確かだ。源は同じであるのは間違いあるまい。

 親は頑丈そうな兜の形なので、いかにも動きが鈍そうだが、子供の時の泳ぎはなかなかのものである。動きも可愛い。この様子から見ると、大きくなっても、背泳は結構得意なのではなかろうか。

 こんな生物が、数億年前の海には沢山棲んでいた訳だ。・・・ビデオクリップを見ていると、頭が、化石の時代にとんでいってしまう。
 そういえば、宮崎県五ヶ瀬町大字鞍岡にある、祇園山(1,307m)の山頂付近の石灰岩から、4億3千万年前(シルル紀)に生息していた三葉虫などの化石が出土している。九州島が海面下にあった当時、最初に海面から顔を出した地とされている。(4)
 ここは、高千穂神社から南西15kmに位置する峰だ。どうしても、古事記の記述を思い出してしまう。

 まあ、堅い話はそのへんでお開きにして、音楽でも。・・・
  → The Horseshoe Crab のテーマソング頁>>>   “Just Flip `em!”(R) (5分49秒) (C) Janine Kelly 2001       

 --- 参照 ---
(1) 関口晃一: 『カブトガニの不思議 「生きている化石」は警告する』 岩波新書 1991年[品切]
  http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/0/4301920.html
(2) http://www.shizensaisei.jp/case/ca_k5_c.html
(3) http://www.pref.nagasaki.jp/sizen/4sunameri/002/13/13.htm
(4) http://eco.pref.miyazaki.jp/gakusyu/himuka/himuka-58/02.htm
(他) 御幡正章氏が維新NETサーバで卵-1齢幼生・2齢・3齢・4齢のvideoを公開していたが残念ながら2007年8月末閉鎖
(Tachypleus イラスト) (C) ぱれおんとろじぃ http://paleontology.ac/index.html


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