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魚の話 2008年1月18日 |
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ししゃも の話…雪どけの 中にしだるる 柳かな 芥川龍之介 “北海道の風景は不思議にも感傷的に美しかつた。 食ひものはどこへたどり着いてもホツキ貝ばかり出されるのに往生した。” ・・・ホツキ貝はアイヌ語である。 シシャモはアイヌ語(susam)と聞いてはいたが、柳(susu) 葉(ham) 魚(cep)のことだと聞かされると納得感が生まれる。(1・・・音声あり) アイヌ語は、日本語と同じ語順のようだし、異民族とされているが、文化的には同根だったのかも知れない。ただ、アイヌ民族は外国からの文字導入をあくまできらったから、歴史はわからないが。 クル(影)がクンネ(黒)になる話を聞くと、コレ、日本語のクロではないかと思ってしまう。黒v.s.白の信仰の違いがあったのかも知れぬなどと思いを巡らしてしまう。 残念ながらアイヌの民族感覚はよくわからないが、柳葉魚の話にはロマンを感じる。そんな感覚を借用したのが、「NON-NO」(花)だろうか。調べていないから、本当のところはよくわからないが。 もっとも、そんなことが気になるのは、“知床旅情”(2)にジ〜ンとくるピリカ世代だけかも知れない。 それにしても、柳葉魚のアイヌ民話は意味深だ。 → むかわ町 突然の絵本プロジェクトチーム: 「シシャモ伝説」 (C) HOKKAIDO GOVERNMENT 確かに、秋が深まると、黄変した柳葉が川面に沢山浮く。光線の加減では銀色に映ったに違いない。まさに、川を遡って来たシシャモそっくり。 だが、それだけでこんな話に繋がる訳がない。 おそらく、凶作の時に限って、寒さが厳しくなる直前の11月初旬に大群が来訪したのだと思う。お陰で生き延びることができたということだろう。 そして、それ以上に不思議なのは、この魚、アイヌ民族が住む川でしか捕れない点だ。 カムイ(神)がアイヌの人達に与えたというのは、作り話ではないのである。 良く知られているように、一年中スーパーに並んでいるのはシシャモではなく、カラフトシシャモ(Capelin)。見る人が見れば、違いは一目瞭然だそうだし、食べればその差はすぐわかるという。(3) それに、北海やオホーツク海に住むCapelinは川には上ってこないのだ。アイヌのシシャモは、北方の魚と表面的にはよく似ているが、土着種なのである。 そういえば、アイヌ民族は北方に住んでいるが、大陸の北方系モンゴロイドではなく、琉球人と類縁の南方モンゴロイドだそうである。(4) --- 参照 --- (1) [音声放送の頁] STVradio アイヌ語ラジオ講座 シシャモ http://www.stv.ne.jp/radio/ainugo0004/lesson5.html (2) 悠々寛大「名曲の誕生秘話 〜知床旅情〜」 [2007.3.30] http://yuuyuukandai.at.webry.info/200703/article_28.html (3) 釧路市漁業協同組合: 「ししゃも大辞典 第五章 シシャモとカラフトシシャモ」 http://www.gyokyou.or.jp/03/75.html (4) アイヌ文化入門 「アイヌ民族の概要」 http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/nyumon.html (俳句の引用元) 芥川龍之介: 「講演軍記」 [初出1927年] http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/3797_27299.html (柳の写真) (C) KaZuhiro FuRuhata/OpenSpace http://www.openspc2.org/ 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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