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魚の話 2008年3月14日 |
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えごのり の話…うまかばい おきうと薦める 博多っ子 ← Photo by (C) Tomo.Yun >>> ゆんフリー写真素材集 “玄海灘に浮かぶ小さな島、相島の上空からの姿です。” 最近は「おきうと」なる、刺身コンニャクのように見える商品がスーパーに並んでいることが多い。健康志向で海藻食に人気が集まっていることに応えた品揃えなのだろう。 この食品、博多では朝食に出てくるほど一般的なものとされているが、東京に登場してきたのは最近のこと。(1) 玄界灘の海の幸イメージを打ち出しているが、博多近辺でそうそう海藻が採れるとは思えないから、おそらく、青森県産品(2)を加工したものが多いと思われる。 明太子の大成功を再びということで、「おきうと」売り込みに注力していると睨んでいるのだが。 ところで、この食品、食べてみると、トコロテンに似てはいるが、肌理は相当粗い。 博多の醤油に合うのかも知れないが、出来合いのポン酢ではあっさりしすぎている感じがする。日本酒の肴には向くが、朝食用としては、特別な味噌味でも欲しいところだ。なにせ、東京の定番は西日本で嫌われる納豆なのだから、癖のあるものでないと。 余計なお世話かも知れぬが。 尚、同じような郷土食としては、酢味噌で食べる佐渡の「いご練り」(3)山葵醤油で和えた、青森県西海岸の「エゴ天」(4)があるようだ。 と言うことで、日本海側で定番海藻になっているのかと思い、調べて見ると、そうでもないようだ。ただ、若狭湾の宮津では「ウゴ」と呼ばれており、冠婚葬祭に欠かせないものだという。商品として出荷してはいないそうだが、正真正銘の土着の伝統食品だ。(5) しかし、なんといっても驚きは、山奥の集落でも、冠婚葬祭にでてくるという事実。信州小川村での話しだ。(6) ただ、この習慣は、信州全体ではなく、特定の地域に限られているという。 何故こうなっているかは、エゴノリ食品研究者の伊藤徳氏が解き明かした。(7) この地域名の“安曇”とは、福岡県志賀島の“海神の総本社”(御祭神:綿津見神 三神)とされる 志賀海神社(8)を奉斉する氏族名なのだ。[現在: 安曇磯和 宮司] そして、安曇氏の始祖と言われる穂高見神を祀る穂高神社では、海での戦いを連想させる御船祭が連綿と続いている。(9)言うまでもないが、北アルプス最高峰穂高岳の麓 上高地の明神池にある小さな社殿が奥宮である。 古代の海人は、博多湾から、日本海伝いに富山湾に至り、さらに糸魚川・姫川を遡って、池がある高原に住み着いたのである。恐るべき行動力。 その力の源こそ、エゴノリという訳だ。 博多っ子が毎朝食すのは、そういうことか。 --- 参照 --- (1) http://www.hakataweb.com/arekore/010.html (2) 青森県漁業士会HP エゴノリ漁 http://www.net.pref.aomori.jp/gyogyosikai/nihonkai2.html (3) http://www.pref.niigata.jp/norin/syokutomidori/syok/chisanchisyo/list/images/hinmoku_pdf/suisannbutu.pdf (4) http://www.umai-aomori.jp/cook/kyodoryori/densyo/79.phtml (5) http://www28.cds.ne.jp/~localj/shokuwa/sfwstango1.htm (6) 春雨や雷蔵ウェブログ: 2007年06月アーカイブ http://www.800ya-raizo.com/weblog/raizoblog/archives/2007/06/index.html (7) 森浩一: 「回想の食卓」 大巧社 2006年---“信州安曇野のエゴ食品” [116頁] (8) 志賀海神社 http://www.sikanosima.jp/shrine-shikaumi/ (9) 穂高神社 御船祭り http://www.hotakajinja.com/htm/saiten.htm 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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