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魚の話 2008年5月2日 |
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はりせんぼん の話…針千本 ほんに美味しい ものなのか 南の魚は脂がのらない上、クセを感じる。 今一歩の感は否めない。 ところが、皆、アバサーだけはえらく褒める。 剥き身を見てしまうと、狆のような感じがして、引けてしまうのだが。 今度は食べてみるとするか。 生きているより、剥製が人気の魚といえば針千本位しかないのでは。 もっとも、ふぐ料理屋が嬉しがるだけかも知れぬが。 水族館人気が盛り上がらないのは、普段は針は寝ているからだ。残念ながら提灯状になっている姿を一度も見たことはない。 まさか、脅かす訳にもいかないから致し方ないが。 だが、人気がない訳でもない。それは観光料理。 身と肝臓を水から煮た味噌汁“アバサー汁”を食べてみたい人続出なのだ。この魚、いかにもフグらしい体つきだが、フグ毒は無いから安心して食べられる訳だ。 (どうも、ハリセンボン、ヒトヅラハリセンボン、ネズミフグ、イシガキフグの4種があり、味は相当違うようだ。肝の臭みの個体差も大きそうだろうから、当たり外れはありそうだ。) それにしても、この魚、本当にフグの一族なのかね。 ただ、皮剥きは簡単ではなさそうである。(1) 手がかかる割りに食べる部分は少量だから、いかにもコストパフォーマンスは悪そうだ。実際、解体品は決して安くはない。 乱獲で価格高騰でなければよいが。 本土で食べている話はきいたことはないが、日本海側の浜への大量漂着話は時々耳にする。沖縄辺りから海流に流され、季節風で打ち寄せられ死んでしまうようだ。(2) 考えてみれば、それは昔からのこと。 日本書紀によれば、658年に、打ち上げられた魚が1m近く重なったというのだから、驚かされる。話半分でもすごい量である。 “出雲国言。於北海浜魚死而積。厚三尺許。其大如□[=魚+台]。雀喙針鱗。々長数寸。俗曰。雀入於海化而為魚。名曰雀魚。”(3) そんな話が、12月8日にシジウブク(針千本)が浜に上がり、山にいる猿のところへ行くとの伝説に繋がっているのだろう。(4) --- 参照 --- (1) 我如古(国立沖縄青少年交流の家): 「 アバサー汁の作り方」 http://navi.niye.go.jp/00051/ (2) 西村三郎: “ハリセンボンの大量漂着” http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no07/index.html [図] 日本近海に来遊するハリセンボンの産卵場(1)と推定漂流経路(2) 西村(1981) http://www.aunj.org/cgi-bin/gatex/gatex.cgi?id=M-0042&pw=1086&page=26 (3) 日本書紀巻第二十六 http://j-texts.com/jodai/shoki26.html (4) http://www.nichibun.ac.jp/YoukaiCard/1230399.shtml (ハリセンボンの写真) [Wikipedia] Poisson-lune.jpg http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Poisson-lune.jpg 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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