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魚の話 2008年5月30日 |
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たいらぎ の話…何ゆえに 2つに切るか 平貝 貝柱は、そのままざっくと食べるのが一番。包丁など入れてくれない方が有難いのだが。 火取りも、粋な食べ方だと思うが、今や贅沢すぎるのかも。 そういえば、昔、有明産貝柱の粕漬を食べたような気がする。結構美味しかった覚えがある。 今や、そうした食材は珍味扱いかも。 タイラギと言うと、馴染みが薄いが、タイラ(平)貝といえば、アレかということになる。そう「柱」だ。 貝柱モノとしては、北から帆立、関西以南は平貝だったのだろうが、今では平貝が上物と相場が決まってしまったようだ。 この柱だが、韓国から運ばれてくるものが多いと聞く。冷凍モノなのだろうか、気になるところではある。 ウエブには未だに有明海特産と書いてあったりするが、“冬場の仕事もなく、少しでも採れるなら漁をやろうということになった”(1)という状態で、とても産地と呼べる状況にはない。 驚いたことに、十分に成長する前に死んでしまう「立ち枯れ」が発生しているそうで、“小さな貝は取りたくない。しかし、今取っておかなければ立ち枯れして来季まで持たない”(2)ということで大変らしい。 なにせ、一時期漁獲量は3万tもあったそうだが、今やその1%。諫早湾では13年間も休業が続いているというのだから、復活どころの話ではない。(3) 水深10mから先の環境が一変しているのは確かなようだ。これは有明だけの話ではないかも知れない。 東京湾も、浅いところが、見かけ上綺麗になっただけで、深いところの環境は悪化一途と見る人も少なくないからだ。 タイラギ漁は、そんな状況を知らせてくれる指標である。 それにしても、潜水具がなかった時代は、一つづつ獲っていたのだろうから大変な労力だったろう。 この貝、三角形*が底から突き出る状態で生活しているし、最大30cmを超えるまで大きくなるので、獲るのはそう簡単ではないからだ。 *: 日本人からみれば黒い烏帽子状だが、欧米からはJapanese penの形状に見えるようだ。 → 海響館のホームページvol.144「タイラギ」 [2005年10月11日] (C) 下関海洋科学アカデミー まあ、それでも、食材としては高く評価されていたから、万難を排してということなのだろう。・・・内臓はなまぐさく、“その腸食ふに堪へず”だが、貝柱は“圓く白きこと、玉のごとし。”で、“甘く美し。上饌”(4)だったのだから。 それに、名称も、「玉_(王偏に兆)」と美しげで、いかにも、高価そう。「太以良木」は俗称なのだ。 --- 参照 --- (1) “タイラギ漁を今季も実施へ 佐賀・福岡の漁業者” 西日本新聞 [2007年11月29日] http://qkeizai.nishinippon.co.jp/news/item/14125/catid/1 (2) “漁業者苦境変わらず…3季ぶり再開の有明海タイラギ漁” 読売新聞 [2007年1月18日] http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/rupo/0701/ru_701_070118.htm (3) 長崎県総合水産試験場: 「タイラギの種苗生産について」 漁連だより 2007.8(No.148) http://www.marinelabo.nagasaki.nagasaki.jp/news/gyorendayori/H19/1908no148tairagi%20sybyouseisan.pdf (4) 和漢三才圖會 Yabtyan 書き下し及び注記 http://homepage2.nifty.com/onibi/wakan47.html (タイラギの写真) [Wikipedia] タイラギ.jpg http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AE.jpg 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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