トップ頁へ>>>
魚の話  2008年9月12日
「魚」の目次へ>>>
 


えぼだいの話…


  阿波弁で 食指が動く ぼうぜ寿司

   ところで、「ぼうぜ」の姿寿司は、背開きなのだろうか


 エボダイとは疣鯛。余り嬉しくない名前だ。

 相当前の話だが、魚屋さんで半端モノのようにして売っていたので、勧められた通りに塩焼きにして食べたが、小骨はあるは、淡白だし、水分ばかり多くて、さっぱり美味しくなかった。
 これは、蒸すべき魚と結論づけ、以後買ったことはなかった。

 興味がなかったのだが、先日、干物屋さんでエボダイを見かけたのである。まあ、旅館の朝食に登場したりすることはあったが、たいしたものとは思っていなかったのだが、これが結構なお値段。干物はやはり鯵と思っていたが、それより値がはるのには大いに驚かされた。

 ウエブを調べたら、“体は粘液で覆われうろこがはがれやすい。このため汚れて見える方が新鮮”とのこと。そんなことは知らなかったから、ひょっとして、新鮮でないものを食べたのかもしれない。(1)魚ばかりは、経験がないと判断できない。不味いものを買ってしまった可能性がある。
 と言っても、クラゲを食べる魚らしいから、それほど美味しいものとも思えないが。

 などと言うとお叱りを受けるのは間違いなかろう。
 「ぼうぜの姿寿司」があるからだ。これは、徳島の秋祭りには欠かせないそうである。(2)写真から見て、おそらくすべてを食べるのだろうが、豪快そのもの。

 祭りだから、「ぼうぜ」に面白い意味でもあるのかと期待したが、お婆さんの背中の「うぼぜ(姥背)」から来たらしい。背中に瘤があるということ。(3)はっきりしている訳ではなさそうだが。
 ともあれ、食べものの名前に「疣」などおよそ場違い。別な意味だった気がする。
 「クラゲクイ」とでもしておいたらよさそうなものだが。
 もっとも、生態は余り研究されていないと書いてあるウエブも見かけるから、クラゲをばかり食べているとは限らない。
 越前クラゲが増えているのだから、北陸あたりから沢山入荷してもよさそうなものだがさほどではないようだし。

 --- 参照 ---
(1) 「さかな大辞典 イボダイ」 JF長崎漁連
  http://www.hq-market.com/sakana_net/fish/a/ibo_dai.html
(2) 「郷土料理百選 徳島県 ぼうぜの姿寿司」 毎日新聞 [2008.4.29]
  http://mainichi.jp/life/food/kyoudoryouri/05/news/20080429org00m100008000c.html
(3) 「和漢三才圖會 卷第五十一 うぼぜ」 Yabtyanの電子テキスト
  http://homepage2.nifty.com/onibi/wakan51.html


 「魚」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2008 RandDManagement.com