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魚の話  2008年9月19日
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さくらえびの話…

  桜海老 焼けば広がる 香ばしさ

 もんじゃ焼は食べる気がしないと言ったら、
 桜海老、切りイカ、揚げ玉の乾物三品ものを食べれば気が変わると言われた。  


 桜海老は駿河湾の3つの漁港(由比、蒲原、大井川)が独占的に獲っている深海生物。
 春漁と秋漁があり、2008年春漁は4月3日から6月2日までの19日で、水揚は約1,298t。2007年の秋漁は11月5日から12月22日までの13日で、水揚は551t。(1)4ヶ月で、32日しか出漁できないのは、同時出漁の掟があり、天候穏やかでも、3港すべてが凪とはならないことが多いから。

 この海老君、富士川、安倍川、大井川が注ぐ辺りの200mもの深い所に棲むが、(2)夜だけ、深さ30m辺りまで上がってくるとか。そこをまちかまえて、船がペアーを組んでくみ獲る訳だ。風が吹けば中止せざるを得ない漁法なのである。
 尚、夏の間は繁殖期なので禁漁らしい。(15ヶ月で1代の生物というのは確からしいが、資源状態はほとんどわかっていないようだ。(3))

 遠州灘、相模湾、東京湾にも生息しているが、日本独特のものという記述が多い。常識から考えれば、海外にも同様な場所があるから、類似輸入品が無いとは思えないが、どうなっているのかはさっぱりわからない。

 「桜」という名前がついているから、春が旬なのだろうが、冬の方が美味しい気がする。鮮度なのか、栄養状態なのか、はたまた気のせいかは、よくわからないが。
 もっとも、この海老が大量に獲れるようになったのは近代漁業が定着してから。さらに、都会で生食できるようになったのも最近のことだから、賞味のポイント自体が文化的に確定していないかも知れない。
 ヒゲがどうしてもイガイガするから、生食大好き人間はそう多くはなさそうだし。
(生は生鮮と解凍がある。その他には、釜あげ、素干、煮干。おそらく、甘みが強調される釜あげが一番食べやすいのでは。素干はお好み焼きの定番品だ。加工品としては塩辛がよく知られるが、塩味がきつく感じるから、一般受けしない。)

 桜海老生食が一番好きなのは、ヒトではなく、深海に棲む赤色の魚ではないか。

 --- 参照 ---
(1) 「水揚状況データ」 桜海老商工業協同組合 http://power-dream.com/sakuraebi/info.html
(2) 「生息海域」 由比港漁業協同組合  http://www.jf-net.ne.jp/soyuikougyokyo/map_big.gif
(3) 「サクラエビ資源の動向予測」 静岡県水産技術研究所 http://fish-exp.pref.shizuoka.jp/03research/3-3-1-6.html
(サクラのイラスト) (C) お花のアイコン館 http://flower.girly.jp/index.html


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