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魚の話  2009年1月9日
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うんばちいそぎんちゃくの話…

   隙を突く 蜂の一撃 恐ろしき
 

 数あるイソギンチャクの中でも猛毒を持つのが南西諸島のイノーに生息する「ウンバチイソギンチャク」。(1)海蜂磯巾着とは実に的確な命名だ。
 岩に付着した海藻と見間違えたりするそうで、危険なことこの上ない。

 あのクマノミ君でさえお陀仏らしいからすごい。
 ヒトの場合はとんでもないことになる。
 重症者の治療には長期を要するそうで、最長は1年かかったりする。(2)
 毒素は単離されてはいるが、治療の決め手は無いそうだ。(3)

 う〜む。
 沖縄の海の生物の研究はこうした特殊なものを取り扱わざるを得ないことになるということ。
 本土では、それこそ時代の要請で、色々と題材が変わるが、息の長い問題が重要になる訳だ。

 それはともかく、素人からすれば、こんな毒がある生物をウミウシが食べるのさから驚き。どうやって食べるのだろうか。

 なにせ、一箇所でも刺激が加わると、それが神経に伝わり、全身の筋肉が反応するらしいから、とても触れたものでなかろう。
 しかも、毒は、この神経とは関係なく毒針の先端に接触すれば自動的に発射されるようになっているのである。
 ただただ出くわさないことを祈るしかない生物のようだ。

 --- 参照 ---
(1) 「海の危険生物 ウンバチイソギンチャク」Aqua 沖縄県警察
 http://www.police.pref.okinawa.jp/anzennakurashi/suitai/unbachiisoginchaku.html
(2) 新城安哲,他: 「ウンバチイソギンチャクとその被害」 J. Soc. of Medical Entomology and Zoology 45(2) [1994年]
  http://nels.nii.ac.jp/els/110003818334.pdf;jsessionid=BD5E7F1F6D8444DE0A4D31CF87064FB7?
  id=ART0004985732&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1226890108&cp=
(3) 大城直雅: 「ウンバチイソギンチャク類の刺胞毒」 日本水産学会誌 69(5) [2003年]
(ハチのイラスト) (C) つか “ フリー素材 今日もわんパグ


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