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魚の話  2009年2月13日
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やがらの話…


 冗談の‘ヤガラの渡し' 無視をされ

  矢という武器イメージはどうも。


 先日、地場の「朝採り」表示がされている、赤色の“矢柄”が陳列ケースに並んでいた。5つの頭がが氷が入ったパレットからはみ出ているから、実に目立つ。
 おそらく、たまたま網にかかったということだろう。釣り船でも、時にかかると言われている。例えば、釣果で言えば、40cm前後のブリ数十匹に1mのヤガラ1匹といったところか。
 多分、ヤガラ釣りもできるのだろうが、細くて長い魚なので、持ち帰るのにえらく厄介だから嫌われているのだと思う。だいたい、タモに入らないだろう。
 ただ、釣りオジサンは沽券にかかわるから、そんなことは言わないと思うが。

 魚屋さんで、じっくりお顔を拝見すると、緊張した表情。赤色だから、普段は深海に棲んでいるのかも。
 頭が矢鱈に長いし、尻は細い。丸々しているとはいえ、食べる身の部分が余りに少なさそうで、出汁用かと思わせるが、お勧めは刺身だそうである。

 折角の機会だから、純米酒で、賞味したが、身が締まっており、なかなかのもの。できる限り薄作りにするとよさそうだ。
 普通の白身魚と微妙に味が違うので、魚屋に並ぶのを待っている人もいそうだ。こればかりは、好き好きだが。
 記憶が定かではないが、ヤガラの日本画を見た覚えがあるから、この味にのめりこんでしまった好事家もいそうではある。

 と言っても、貴重品扱いすべき魚とは思えないが。
 漁港近辺なら、新鮮な魚などいくらでもあるから、わざわざ身が少ないものを、有難がって食べる必要などあるまい。半端モノとして売られていて、どう〜、と勧められて購入するといった感覚ではなかろうか。
 いかにも、売れ残らないように、いい加減な値付けで売られていそうな感じがする。

 だが、逆に、都会では希少価値で、高価となる。それが益々人気を呼んだりする。
 そんな需要に応えて、徹底的なヤガラ獲りが行われなければよいが。


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