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魚の話  2009年3月27日
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わかさぎの話…



  ワカサギの 仕掛け絡んで 大騒ぎ

     トラブルはどこでもあるもの。


  凍りつき 動かぬリールに 八つ当たり

     準備万端といえども。

 2009年の芦ノ湖釣り解禁日、箱根町がワカサギを“町の魚”に制定した。(1)
 今まで、箱根で有名だったのは虹鱒。富士屋ホテルの定番食材だったから。そして、近年はブラックバス釣りが流行った。しかし、町民の希望はワカサギ。「神奈川の名産百選」になっていることもあるが、自ら稚魚種苗(2)ができるようになったことが大きいようだ。

 まあ、どの魚にしたところで、土着の種ではない。ワカワギは霞ヶ浦からの移植だそうだ。こんなことをすると在来種が消滅するということで、今では嫌われる方策だが、食糧生産増強を図っていた時代はそれこそ期待の星だったろう。それが今度は観光業振興ということで俄然魅力が生まれたということのようだ。
 どの魚を選ぼうとたいした違いはないような気もするが、食の連鎖から言えば、植物プランクトン→動物プランクトン[ミジンコ等]→小魚[ワカサギ] →大型魚[ニジマス]だから、ニジマスやブラックバスよりはワカサギの方がよさそうではある。しかも、ある程度のプランクトンがいる環境がお好きな魚のようだから、富栄養化に余り神経質にならなくてもすみそうだから、観光業にはうってつけかも。

 なにせ、お手軽なアウトドアの遊びと見られているのか、だいぶ前からワカサギ釣りは大人気なのだ。だが、氷穴釣りを苦労して行う情緒がうけているという訳でもなさそうだ。ストーブ付きのドーム船が繁盛していると言うのだから。それに、手ぶらで行っても、「テント、火鉢、竿、仕掛、餌」セットが用意されているとか。
 そんな出来合いレジャーを嫌う釣り師も少なくないが、そのニーズに応えた専用道具類の充実度も桁外れだ。本の題名が、その状況を物語る。・・・「なるほど! THEワカワギ大全」、「ワカサギ爆釣マニュアル」、「楽! ワカワギ釣り」。
 もっとも、今年は暖冬で、折角購入した短時間で穴が掘れるドリルが使えず、悔しい思いをした人は少なくないとか。
 ともかく、至るところの湖でワカサギ釣りができる状況。

 確かに、お気軽に、その場で魚食の醍醐味を楽しめるという点では比類すべきものはないかも。この魚、皮が薄く、肉も柔らかいので、釣り上げて水に入れただけだと、すぐに鮮度が落ちてしまう。従って、その場で食べることに精力を注ぐことになる。これが美味しくない筈がなかろう。

 それに、結構、沢山釣れるそうだ。
 釣り巧者の説によれば、すべてを、その場で、丸のまま揚げるか(天麩羅・唐揚・フライ・フリッター)、ホイル焼にするのが最善だとか。多すぎて残ったら、揚げモノなら酢漬け(南蛮漬・マリネ)、焼モノは甘露煮にすればよいとのこと。直接氷で冷やして持ち帰るといっても、帰宅までに長時間かかることが多いので、生の調理を避けるようだ。
 と言うのは表向き。水っぽい魚だから、初心者が生をそのまま煮ても、たいした料理にならないと、間接的に忠告しているだけ。

 --- 参照 ---
(1) “箱根「町の魚」にワカサギ” カナロコ [2009/1/7] http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivjan0901100/
(2) “ワカサギの採卵作業が最盛期/箱根” カナロコ [2009/3/14 ] http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivmar0903229
(ワカサギ釣りのイラスト) (C) 無料イラスト素材 イラストバンク



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