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魚の話  2009年11月27日
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あゆもどきの話…

  泥掘れば 泥鰌出てくる 休耕田  遊泳が得意なドジョウ君は人気者らしい.
↑イラストby (C) ぼくのすいぞくかん
 絶滅危惧種「鮎擬」(1)を獲って売る商売が成り立っているとは知らなかった。“マニアの間で1匹1万〜2万円で取引”されており、「日本一のアユモドキの採り子」と呼ばれる有名人までいるらしい。(2)

 楽勝の商売を続けていたようである。
 “道路から水面を覗いているだけでも、天然記念物、アユモドキが泳いでいるのが確認”(3)できる場所が知られており、捕まえたければ、素人でもできるのだから。
 しかも、ここは、人口67万人が暮らす都市なのである。地域の人達が「アユモドキを救え」ということで、“で休耕田を借り、自然産卵増殖”するなどして、種を維持してきたから、どうにか生息できたのだが、(4)そこを目ざとく狙った訳だ。
 要するに、どうやったら密漁できるか、日本一よく知っていたのである。

 もう一つある生息地の淀川水系では、“地元住民と環境省、京都府、亀岡市、警察署との協働によりアユモドキの密漁の防止のため定期的にパトロールを実施”(5)していたりする位で、そう簡単なことではないが、流石プロだけのことはある。

 それはともかく、不思議な魚である。
 日本国内では、淀川水系と岡山県の旭川・吉井川・高梁川だけに分布しているというのだ。もちろん、その極く一部。

 間違えてはこまるが、2ヶ所のみというのが驚きなのではなく、誰が言い出したのか知らぬが、訳のわからぬ説明がされていることが不思議なのである。まあ詳しい話は省くが、典型は、太古は瀬戸内海がなく、琵琶湖の水が岡山まで繋がっていた証拠だという手の話。実に、壮大なロマンですな。
 例えて言えば、海外に似たメダカが棲んでいるから、大昔の海は淡水だった可能性があるというような論理に聞こえる。
 普通に考えれば、この2地域以外は、この手の泥鰌が生息するのに必要な条件を欠くようになり絶滅したということでは。
 保護の決め手は、産卵時期に水を入れた田圃が存在することらしいから、その辺りで他地域との違いが出たとしか思えないが。

 面白いのは、スマトラやボルネオにも、「鮎擬」と同じように遊泳する種が棲んでいること。色はいかにも熱帯魚らしい。しかし、同じ横縞がある。名前は、“道化泥鰌”だから、寝姿や泳ぐ仕草が面白いのだろう。(6)
 「鮎擬」人気もそんなところからか。

 --- 参照 ---
(1) 「アユモドキ」 RDB図鑑 インターネット自然研究所
   http://www.sizenken.biodic.go.jp/rdb/txt/content/040.html
   「アユモドキ」 絶滅危惧種情報検索
   http://www.biodic.go.jp/rdb_fts/2000/71-081.html
(2) “アユモドキ譲渡容疑で男を逮捕 滋賀県警 種の保存法違反” 京都新聞 [2009年11月2日]
   http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009110200169&genre=C1&area=S00
   “「アユモドキ」譲渡容疑で逮捕 岡山の淡水魚販売業者” 共同通信-47NEWS [2009/11/02]
   http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110201000813.html
(3) 「取材ウラ日記 岡山市・高島地区編」 NHK ダーウィンが来た! 2006年
   http://www.nhk.or.jp/darwin/report/report017.html
(4) 「高島の自然を守ろう - 賞田のアユモドキ」 岡山市立高島公民館
   http://kouminkan.city.okayama.okayama.jp/takashima/tansui/ayumodoki.html
(5) 「アユモドキの保全について」 京都府文化環境部 自然環境保全課
   http://www.pref.kyoto.jp/kankyo_red/16600010.html
(6) [Videoあり] Owen James: “Clown loach FAQ” Aqua Daily
   http://aquadaily.com/2009/02/24/clown-loach-faq/
(クラウン・ローチのイラスト) (C) ぼくのすいぞくかん http://boku-sui.net/index.html


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