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魚の話  2015年2月4日

とうじんの話

 唐人のイメージが良く分からない。
  丸い唐人帽子をかぶっている人かな。
  西洋の擲弾兵帽とは大分違う。

 そういえば、実権派に被せたのは三角帽。
  それが昔の唐人の姿だったりして。


「唐人」なる奇っ怪な名前の魚がいる。流石に、中国ではそのような言い方はしないようで、「日本腔吻」である。吻が発達している底鱈系日本種ということのようだ。
ソコダラ類は見ただけですぐそれとわかる深海魚。頭でっかちで、尾鰭無き尾が紐のように長く伸びており、比類すべき魚はいそうにない。当然ながら発光器官があるそうで、肛門辺りにそんな生物を抱えているらしい。

駿河湾のように海溝がすぐ側まで来ている場所だと網に入ってくるものらしい。多分、熊野灘や土佐湾沖も同じようなものではないか。
沼津港の寿司屋には"深海魚尽くし"なるメニューがある位なので、冬場に行けば食べることができたりする。もっぱら刺身で提供されるようだ。頭は大きいが硬いから捨てるしかないし、胴体は尾にかけで尻すぼみなので身が余りに少ない。他の調理法は向きそうにない。もっとも、白身なので、普通はすり身にして他の魚と混ぜてしまうのだろうが、話題性Upを狙って、面倒でもお店に出すのだと思われる。
ただ、現地の名称は「ゲホウ[外法]」。「外道」とは違い妖術を使うらしい。

英語ではJapanese grenadier。訳せば和式擲弾兵か。頭に大きな帽子をかぶっていて、頭でっかちスタイルが似ているのだろう。確かに、勇猛勇敢に突撃しそうな魚ではある。
それと、唐人のイメージがなかなか一致しない。
もっとも、英語でも、底鱈系の俗称、Rat-tailも使うようだ。辞書を引くと、80年代遅くに流行ったヘアスタイル名でもあるようだ。ゴムバンドで留めた短いポニーテールのようなものなのだろうか。辮髪とは一寸違うが。
もともと底鱈は、高知辺りでは鼠という名称で呼ばれていたらしいから、その辺りをテリトリーとしていた先生が、この魚はRatと呼ぶと言った可能性もありそう。

底鱈は全体を指す名称らしく、この仲間は世界中に棲んでいる。流石に、北極海までは足を延ばしていないようだが。
名称では、唐人だけは特別扱いのようである。底鱈が基本。は他の種類と紛らわしいがヘンテコな呼び名だからだいたい想像がつく。見たところ、トウジン系は先が尖っていることが特徴のようである。素人には、同属とれている魚を見ても、その差違はほとんどわからない。

要するに、光が届かず、強烈な水圧がかかる、3,000m以上の"真"深海でも生きていける類だから、見かけは奇怪という話にすぎない。(5,000m程度の深海調査では、ソコダラだらけのようだから、今後も様々なフォルムが見つかっていくのだろう。)次第に、その世界も人目に触れるようになって来たので、楽しみではあるが、単純にそれを喜んでよいのかはなんとも。
   Lander Rattail@around 6000m[2014-11-19]・・・approximately 60-70 cm

─・─・─ソコダラ類─・─・─
正確性は保証できませんのであしからず。
平頭 深海鎧 帆掛 樺太底鱈 北洋底鱈底鱈手長
台湾
底鱈 文字 鞍掛底鱈 模様 葎 九州 天狗 鼠 宮古 頭長底鱈 無筋底鱈 紀州 唐人


鬼筋

日本饅頭

綿

日本
底鱈 千鳥

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