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海胆の話  2017年8月15日

たまごうに の話


  浜歩き エッグアートに 酔いしれて
     海胆の亡骸の美しさに嵌るとこうなる。


突然だが、ウニ本の話。

この分野にどのような本があるのか調べたことはないが、東京湾の岩礁に海胆だらけだった頃を知っている人間にとっては、「相模湾産海胆類」をあげることになる。残念なことに書名を知るだけで、一度も目を通したことがないが、驚嘆すべき仕事の成果であることは間違いない。
よく見かける様々なアクア写真集とは違って、対象すべてが標本化されていることを意味しているからだ。
凡人だと、ウニと聞けば、殻の格好が素敵だから飾りモノにしたいネとついつい言いたくなるが、実態を想像した瞬間、黙ることになる。
海胆を獲ってその場で食べたりしたことがある方なら、その心情はすぐにわかろう。残ったからといって、持って帰ると、その腐臭のすごさに全身から血の気が引いていく。つまり、標本にするなら、殻は壊さず、中の身だけを急いで出して徹底洗浄する必要がある訳だ。どんな道具があるのか知らないが、大変な手作業になる。と言うのは、この棘たるや、すぐ折れるようにできているからだ。強靭な精神力なかりせば、とても挑戦する気にはなるまい。

そんな標本作りはご免蒙りたい素人からすれば、もっぱらビーチコーミングとなる。独自の美意識でウニ殻を集める訳である。当然ながら棘など落ちきっているが、それがかえって魅力的な造形物を作りだしたりするのである。
ただし、殻は結構脆いので、扱いが雑だとすぐ欠けるのが難点。
と言うことで、小生は、海胆殻拾いマニアは少なくなかろうと見る。家で、貝殻ならぬ、海胆殻に耳をあてると、か海の聲が聴こえてくる気分に浸れるからである。(漁村維持のために、貝殻はほとんど拾えなくなったが、海胆殻系はまだどうにか持ちこたえているということでしかないが。)

そのような状況下で、美麗で貴重とされるのが、
  卵海胆/卵圓斜海膽/Little burrowing urchin
要するに、真っ白でトゲトゲが目立たない小さ目のウニ。
もちろん、生きている時の殻の色は白とは言い難いが。滅多に出会えないらしいが、古生物の化石は結構出現しているそうだ。
そんな情報が流れているということは、殻のように壊れたりしない石を眺めて古代の海の感覚に浸っている人々も少なくないことを意味していそう。殻拾いと違って、大枚はたく必要がある筈だが、海胆の美に嵌り込むとそこまで一直線ということか。

近縁は南方棲息(モーリシャス〜インド洋)
  Burrowing urchin
ほかにも類縁がいるのかは、よくわからなかった。
尚、卵海胆の分類上の位置付けでは、本流に属してはいるものの、異端的に独立させられている。変わった形というだけでなく、神経系とか、どこか違う点があるのだろう。

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