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魚の話  2018年1月10日

くもはぜ の話

夕暮れの 雲にも名前が ある筈だ
     雲のイメージは季節や情景で様々に変化する。

蜘蛛の足のような条があるので8足の蜘蛛と命名されたのかと思ったら、漠然とした概念の雲だそうである。(但し、和歌山県立自然博物館では、蜘蛛鯊と記載している。)
  雲鯊

"暗灰色の地色に暗褐色の不規則な斑紋"[大日本百科事典 小学館]という雲形模様があることで名付けたらしい。それに沿った英名があげられているが(Brown goby)、通常は、夕暮れの薄暗い印象の外観である"Dusky"でその特徴を示しているようだ。もちろん、"frill-goby"の仲間としての呼称がつく。
タイドプールで見かけるようだから、岩礁域の 潮間帯に棲息している種なのだと思われる。
そうなると、保護色的な色合いと見て間違いないだろう。

この種のグループ内では、汽水域泥鯊群[→]として取り上げた顎鯊や、グループは異なるが小魚のうちの磯鯊[→]はよく似た習性と言えそう。要するに、磯の潮間帯に棲むから、群れの一部は確実にタイドプールに取り残されるのである。

ただ、雲鯊だけは、磯から一歩もでないらしく、ダイバーが見かけることは滅多にないようだ。
もっとも、色味も柄も、沈んだ印象しか与えないから、人気が無いのかも知れない

はたして類縁なのか、素人には判断がつきかねるが、名称的には小振りのタイプとされている種もある。
  姫蜘蛛鯊

 ○Bathygobius・・・クモハゼ類
  雲鯊/Dusky frill-goby(fuscus)
  筋雲鯊/Cocos frill-goby(cocosensis)
  楔鯊/Cheekscaled frill-goby(cotticeps)
  矢筈鯊/Spotted frill-goby(cyclopterus )
  闇雲鯊/Brownboy goby(laddi)
  黒雲鯊/Black minigoby(niger)
  黒星矢筈鯊/(hongkongensis)
  黒矢筈鯊/(padangensis)
  蜆鯊/(petrophilus)
  Whitespotted goby(albopunctatus)
  Antilles frillfin(antilliensis)
  Whitespotted frill-goby(coalitus)
  Notchtongue goby(curacao)
  Dusky frill-goby(fuscus)
  Twin-spotted frillfin(geminatus )
  Krefft's frill-goby(kreftii)
  Southern frillfin(lineatus)
  Meggitt's goby(meggitti)
  Island frillfin(mystacium)
  Panamic frillfin(ramosus)
  Frillfin goby(soporator)
  -/(fishelsoni)
  -/(karachiensis)
  -/(ostreicola)
  -/(panayensis)
  -/(smithi)
 ○Palutrus ・・・ヒメクモハゼ類
  姫蜘蛛鯊/Meteor goby(meteori)
  Pruinosa goby(pruinosa)
  Scapular goby(scapulopunctatus)
  -/(reticularis)


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