表紙 目次 | 魚の話 2018年1月18日 こばんはぜ の話これ小判 ずっとアクアに 居てくれろ 枝珊瑚内に、 排他的な区画をつくるらしい。 浅場のテーブルサンゴの枝の隙間でじっと休んでいたり、チョコマカ動いている2〜3cmのハゼが居る。枝が邪魔して場所がよくわからないし、写真も撮りにくいから、ダイバーが余り相手にしない手の魚だと思う。 そんな状況なので、よくわからない点だらけだが、性転換可能な魚ということで研究対象としては光を浴びている模様。珊瑚にしがみつく必要もなさそうだが、吸盤はあるとのこと。底棲のハゼと違い、比較的背高なので、体形はまさしく小判型と言ってよいだろう。 小判鯊 英語ではCoral goby。熱帯であるから、種の分化は激しく、様々な意匠をこらしたお姿。蛍光色の加えた、派手な意匠の種も少なくない。 珊瑚礁の隙間に隠れて棲むとされているのは間違いではないが、先ず間違いなく珊瑚を食べているのだと思う。珊瑚礁の海は透明感溢れており、プランクトンリッチな温帯島嶼とは違うから、動物である珊瑚が餌にならない筈はない。 ただ、珊瑚といっても、様々な種類があり、それに対応するように小判鯊も多種に分岐したと考えるのが自然であろう。 水槽で様々な種を同居させて、眺めたいという気分を引き起こす手の魚である。はたして、可能なのかはよくわからない。主観的には、"チョコマカ=喧嘩っ早い"なのだが、どうなのだろうか。 コーラルリーフは人間様にとっては楽園に見えるが、魚にとっては難行の場に近いと見てもよかろう。上述したように、基本的に貧困な場だから、餌が少ない訳だが、それ以上に熾烈な環境に耐えて生き抜く決意を必要とするのである。考えてみればすぐわかるが、水が澄んでいるということは、酸素を発生する藻類ゼロということだから、夜間や海が凪いでいる時は呼吸もままならぬ状況に追い込まれかねないのである。 小判鯊は、そういう環境適応種であるのは間違いなく、皮膚呼吸可能である可能性もあろう。ともあれ、耐低酸素濃度を担保するための機能を備えていないと則絶滅の憂き目だと思う。 紅海〜インド洋〜西太平洋に広く棲む種で、警戒色なのか、黄色の体色で、派手な筋模様を持つ種がいる。 Poison goby 皮膚から粘液毒(grammistin類似の魚毒性物質)を出すのだそうだ。と言うことは、鱗は退化したのだろうか。 この種に限らず、類縁はすべて同じとか。 珊瑚礁の一角を独占できるのは、この毒腺のお蔭か。 従って、他の種の魚とアクアでの同居は禁忌である。 【鬚鯊、等の《Gobiinae》グループ】 ○Gobiodon・・・コバンハゼ類 小判鯊(-) 黄色珊瑚鯊/Okinawa goby(okinawae) 一文字小判鯊/Whitelined coral goby(albofasciatus) 二色珊瑚鯊/Fivelined coral goby(quinquestrigatus) 淡色小判鯊(prolixus) 赤天小判鯊(aoyagii) 姫黒小判鯊/Black coral goby(ater) 背赤小判鯊(atrangulatus) 紅差小判鯊/Broad-barred goby(histrio) 藍小判鯊(micropus) 隈取小判鯊(oculolineatus) 朱帯小判鯊/Rippled coral goby(rivulatus) 無地小判鯊(unicolor) 大鰭小判鯊(winterbottomi) Needlespine coral goby(acicularis) Two-lined coral goby(bilineatus) Poison goby(citrinus) Brown-red coral goby(fuscoruber) Rufous coral goby(irregularis) Reticulate goby(reticulatus) (axillaris) (brochus) (ceramensis) (citrinus) (erythrospilus) (fulvus) (heterospilos) (quinquestrigatus) (multilineatus) (spilophthalmus) (winterbottomi) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |