表紙 目次 | 魚の話 2018年1月29日 くろいとはぜ の話‖ 黒い糸 2本あっても もつれない単純な2本の黒色ストライプ柄は目立つ。 吻先から尾鰭の先端まで続く、平行して走る2本の黒色のストライプが特徴の魚がいる。 黒糸鯊 砂を吸い込みエラから出すことで、含まれている有機物を餌とするタイプ。ペアで山盛の巣を造るのでダイバーの観察記が多いようだ。当然ながら目の粗い砂地を好むことになろう。 黒色でなく黄色型も。 黄糸鯊 こんな話をしているのは、日本語だと、どうしても黒色の糸鯊と思ってしまうからだ。英語ではTwostripe goby。Blackとしていないが、Yellowは珍しいから、どうということもなかろう。 これにかかわらず一般的に英語名は情緒にはえらく欠けるものの、比較的わかり易いのである。全体観を知りたい場合は便利。 色表現でいえば、ここらも日本語の表現はわかりにくい。 青鉢鯊=Greenband goby 赤鉢鯊(死体の頭が赤色)=Blueband goby マ、英語は直截的で情感の欠片も感じられぬ、と言うことだが。 漣[さざなみ]鯊=Long-finned goby 水玉鯊=Six-spot goby 早乙女鯊=Mud goby しかし、これは、それぞれの種に愛着を持っているか否かに係っていると見ることもできよう。マニア垂涎と思われるタイプになると英語表現も俄然変貌するからだ。茜とか曙という色調表現用語を欠いているせいもあるが。 茜鯊=Bella goby(美しいと言うだけ。) Elegant goby Mural goby(壁画・・・なんなんだ?) ウダウダ書いてきたが、ここまでが前段。 黒糸鯊に戻ろう。 目立つストライプはあるものの、地味であることには間違いなく、観賞の対象として人気が沸くとはとうてい思えない。ところが、それなりにダイバーの関心を引いているようなのだ。巣を見たいということでもなさそうだし。 おそらく、巣の上をウロウロしているから、すぐにその存在に気付くため、一応は係りをもっておこうとなるためではないかと拝察。静かに漂っているのではなく、スイスイと泳ぎ回るから、とりあえず一枚写真を撮っておこうとなるタイプと見た。 これが、実は難しいらしいのだ。近寄ろうとの姿勢を見せると、即座に巣穴に入ってしまうという。しかも、泳ぎ始めた瞬間でないと、背鰭をピンと立てたお姿にならないと来る。従って、どうしても時間をとられる訳で、そのうち情も移ってくるということ。 そうなると、その泳いでいる姿と巣穴に一目散に入る様から"glidergoby"と呼ぶのはわかる。 ところが、"sleepergoby"とも呼ばれるのである。確かに、showy sand-siftinであるから、そうなるのはわからないでもないが、この名称は川穴子/塘鱧の類で汎用的に用いられている。紛らわしいことこの上なし。(中国語での"クロイトハゼ属"の名称は"凡塘鱧"とくるからさらに厄介。) 【鬚鯊、等が所属する《Gobiinae》グループ】(ハゼ本流) → 「はぜ 全体像」 ○Valenciennea・・・クロイトハゼ類[glidergoby] 黒糸鯊/雙帶凡塘鱧/Twostripe goby(helsdingenii) 黄糸鯊(yanoi) 青鉢鯊/蘭氏凡塘鱧/Green-band goby(randalli) 赤鉢鯊/Blueband goby(strigata) 漣[さざなみ]鯊/長鰭凡塘鱧/Long-finned goby(longipinnis) 水玉鯊/六斑凡塘鱧/Six-spot goby(sexguttata ) 早乙女鯊/泥棲凡塘鱧/Mud goby(limicola) 茜鯊/美麗凡塘鱧/Bella goby(bella) 乙女鯊/大鱗凡塘鱧/Maiden goby(puellaris) 姫黒糸鯊/小凡塘鱧/Parva goby(parva) 笹鯊/鞍帶凡塘鱧/Ward's sleepergoby(wardii) エレガントゴビー/Elegant goby(-)@ニューカレドニア Red-lined sleepergoby(immaculata) -/艾氏凡塘鱧/Allen's glidergoby(alleni) -/華美凡塘鱧/Decorated glidergoby(decora) -/石壁凡塘鱧/Mural goby(muralis) -/波斯凡塘鱧(persica) -/無斑凡塘鱧(mmaculata) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |