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海老/蝦の話 2013年2月24日 | 「魚」の目次へ>>> |
| あまえびの話…甘蝦の 旨さ溶け混む 枡の酒 辛口の酒がすすむ。(込むのではない。)アマエビは小型だし、鎧というか、甲殻がそれほど硬くないから、海中をスイスイと泳いでいそうなタイプに見える。そうなると、のそのそと海底を歩く海老ではなく、蝦と書きたくなる。しかし、貝が大好物な生物とのことだから、やはり海老か。 甘海老が正式名称とは思っていなかったが、「北国赤海老」とは。スーパーに並ぶ原産地を眺めれば、いかにも寒い国々だらけでそんな気にさせられるとは言え。 寿司種あるいは刺身として余りにポピュラーな海老だが、それは大きいタイプというか雌だとか。雄は小さいので、エビ煎餅などに使われるそうだ。成長して十分な体力がつくと、性転換して雌になれるという不思議な生物なのである。 驚くようなことではなく、余りに冷たい深海に棲んでいるから、種の維持にはそれしかないというだけなのだろう。多分、氷河期には大脚を振って闊歩していたが、温暖化でここしか住むところがなくなってしまったというところか。氷雪の融解水が深い海に落ち込む地形が、一番嬉しい棲家だと思われる。 甘海老は高級品と考える人もいるらしいが、常識的には安価そのもの。冷凍-解凍技術の進歩のお陰である。高価と見なす方は美食家か俗物のどちらかではないか。確かに、ピンキリ商品ではあるが。 海が時化れば「生」は当然暴騰。都会で魚場の気象状況など知るすべもなく、「時価」なので価格にびっくりする訳である。そこまでして「生」を食べねばならぬような食材とは思えぬが、接待となればそうもいくまい。身が動いていてプリプリ感がたまらないですゾと言えることが肝でもあるからだ。一方、冷凍モノの廉価品だと、解凍の仕方がまずかったりするものも無いとはいえない。従って、キリはどうしても出回る。だが、スーパー陳列品や、そこいらの外食店なら、解凍モノで十二分にことたりる筈。感受性が高い人は別だが、余程いい加減な商品でなければ、生臭味はそれほど出ない海老だからだ。 とはいえ、冷凍品なら差はないかというとそんなこともない。綺麗にパックする手間の違いとか、流通品質で身の状態が違うという意味ではなく、味や食感が微妙に異なるのである。多分、海老君が食べていた餌で差がでるのだろう。そうそう、棲んでいる海域での、敵の多寡も関係してくるかも知れぬ。これは海産物の宿命。 ただ、安価品であろうが、必ずほのかな甘みを感じるもの。それは新鮮でない証拠でもある。蛋白質が分解されてアミノ酸の旨み成分が濃厚になっているからだ。 もっとも、茹でてシュリンプカクテルにするつもりなら、そんなものにたいした価値がある訳ではないが。 甘海老という名称からして、どうしても、食意地だけで見てしまうが、バイオ試薬としての酵素や様々な産業に使われるキトサン原料としても重要な海産物である。 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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