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■■■ 2015年4月20日 ■■■

貝拾いの話…

「潮干狩」は春の季語。
現在は、もっぱら、ゴールデンウィークの風物詩とされるが、本来は3月3日(上巳)の行事。沖縄では「浜下り」として残っているらしいが、本土ではほとんど耳にしない。

蕪村に以下の句があるようだ。はたして、上巳感覚があるのかはよくわからないが。
  ざうり[草履]買ふ 小家うれしき 汐干かな
子規だと以下。[明治32年]
  あさり[浅蜊]得て 舟に戻るや 汐干狩
これらでおわかりの通り、正確には、「潮」干狩ではない。"朝"の「潮」は満ち潮で、引き潮は"夕"の「汐」だからだ。

代替表現として「(蛤)貝掘り/Clam digging」があるが、「貝拾い」とも。これには違和感あり。・・・「(生)貝拾い」などありえまい。
常識的には、「(貝)殻拾い/Beachcombing(漂着物収集)」では。
貝殻拾いの場合、どちらかといえば冬の方が好都合。寒さで死んだ貝が打ち上げられるし、風で海が荒れるので、遠くから貝殻が運ばれ易いからである。
同様に、台風一過後も面白い。
それに、汐干狩と違って、どういう訳か大潮より小潮の方が拾える貝殻は多くなる。おそらく、潮が引く際に海に持っていかれる率が低いからだろう。

まあ、どうでもよい話だが、「貝殻拾い」は、「潮干狩」とは全く意趣が違う。こちらは、"眺めて、思い巡らすことを愉しむ"もの。
当然ながらゴミも混ざるから、楽しみ半減の可能性もあるが、それも又一興と考えることもできよう。

日本の場合、生貝採りという観点では、砂浜での熊手を使った二枚貝の採取だけではなかろう。砂穴に水を入れると驚いて飛び出してくる馬刀貝採りも含まれることになろう。
さらに、岩礁海岸も入れることができよう。所謂、磯遊びだ。その場合は、岩に張り付いた床臥採りや、タイドプールでの、巻貝の石畳や尻高集め集め。
  磯遊び 二つの島の つづきをり 虚子

現代の概念としての「潮干狩」はどこまで入るのだろうか。

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