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■■■ 2015年5月7日 ■■■

貝殻収集貝類…


 霞みけり 物見の砂に 熊坂が
   介の多さに 目も霞む



殻の上に貝殻や小石などを付着させる貝がいる。浜には二枚貝のバラバラになった貝殻が粘着物で融着し合ったようなゴミがあるが、実はゴミではないかもしれない。
"面白いのは、二枚貝を付着させるときは必ず貝の内側を上に向けること。"細長い巻貝が含まれることもあるらしいが、その場合は、"細く尖った方を付着させる"と言う。"かっちりと接着するように長い吻を使って貝や小石の表面を丁寧に掃除"するほどだから、なんの変哲もないゴミに見えるがそれは十分に考慮された建築物なのだ。
・・・この辺のお眼鏡で見れば、単なるゴミか、はたまた貝の創作家屋か判別できるのかも。もっとも、これはゴミでな無いとわかったところで、貝殻拾いの対象にはならないか。
遺骸だからという訳でもない。生活している状態でも、どう見ても、海底のゴミ。(@沼津港深海水族館)

この貝の名称はなかなか乙なもので、クマサカガイ。できればフルネームにして欲しかった。

旅人を襲う盗賊 熊坂長範が七つ道具を背負っている姿に見立てたものだそうな。(牛若丸に討たれた無念さを亡霊が語る五番目物「熊坂」で知られる。)

まあ、棲む場所で、拾える貝や石も違うだけだと見たが、貝種も違うものらしい。海底にいるのを生きたまま捕まえて身ぐるみ剥いで点検するのだろうから、熊坂君もさぞかし無念なことだろう。
  熊坂貝/Pallid carrier shell/綴殼螺
  本熊坂貝/日本綴殼螺
  薄熊坂貝/貪石綴殼螺
  皺熊坂貝
  焦熊坂貝
学名はフランスの学術季刊誌の名称で知られるそうだ。もちろん発行元は the French Conchologist Association。要するに、貝類学者貝として、お仲間と認定した訳である。
そうなると、貝より石が多い場合は、鉱物学者貝となるのかナ。まあ、Sea floor ragman[海底廃品回収業者]と呼ぶ訳にもいかんだろうし。

そうそう、回収業にお疲れで、仕事は時々という御仁も。
  大熊坂貝/中華綴殼螺
もっと手抜きで、仕事嫌いで、気が向いた時にやるかも知れぬという、ふれくされも。もっとも、当の貝君は、気に入ったモノなら1つでも良いし、素晴らしい拾いモノが見つかるまで頑張っているのだと主張するに違いないが。
お蔭で、熊坂長範ではないネとなり、「絹笠貝/陽傘螺」と呼ばれるようだ。幼弱期にのみ天辺に小石や貝殻を付着させるとのこと。

(参照)
「クマサカガイが入館しました」飼育日記#8461@鳥羽水族館
「静岡の自然を学ぼう キヌガサカイ」@ふじのくに 静岡県公式ホームページ


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