表紙 目次 | ■■■ 2015年5月30日 ■■■ 海辛螺類…夏至近し ニシ貝焼きの 煙流るニシの漢字は本来は「小辛螺」であると書いた。わかり易いように、内陸棲巻貝類である「タニシ[田螺]」を例にとって。 となれば、海棲の方を整理しておかねばなるまい。 海棲ニシの代表といえば、誰が何と言おうと、赤ニシ。田螺はタニシとわかるがらといって、法螺はホラだから、赤螺をアカニシと読めるかははなはだ疑問。ニシは「辛螺」とすべきでは。本来的には「小辛螺」なのだろうが、アカニシは小さな貝ではないから「小」は取らざるを得まい。 赤辛螺/Veined rapa whelk/紅皺岩螺 白辛螺/Turnip-shaped Rapana/白皺岩螺 疣辛螺 or 煙草辛螺/蚵岩螺 この仲間はニシと呼ばれてはいない。分類学的にはアッキガイ[悪鬼貝]であり、以下のような貝の集まり。 【棘霊貝類と重厚霊貝類】 悪鬼,骨 華仙,紡績車 護法螺,水字,蜘蛛 瓔珞,芭蕉,荔枝 水晶,枕袖 図鑑を眺めていると、何故にこのなかに「辛螺」という名称が登場するのか訝ることになる。どれも負けず劣らず個性的な貝殻の持ち主であり、赤辛螺は埋没してしまう。もっとも、同様なタイプもあるので、それはそれで面白いとはいえる。 ロコ貝 or 鮑擬/Baranacle Rock-shell@南米チリ〜ペルー ただ、分類用語上でニシと呼ばれる群もあり、そちらが代表格と考えるのが妥当と言えば妥当。上記は、いわば天狗辛螺擬と言えないこともない。 天狗辛螺/Tuba false fusus or False trumpet shell ここには、世界最大の巻貝が入っている。 アラフラ大辛螺/Australian trumpet shell ニシと呼ばれているので、法螺類とは少々違う雰囲気が醸し出されているような気にならないでもないが。西洋感覚では、大型巻貝は皆同じようなものに見えていそう。小生はそちらに軍配を上げる。天狗辛螺でなく、コブラ法螺と呼ぶ方がしっくりくるということ。 そういう見方をすると、糸巻法螺とされている一群のなかの「〇〇長辛螺」は「〇〇長旋法螺」とした方がわかり易そう。 長辛螺/Perplexed spindle shell/鐵銹長旋螺 ミニアチュール法螺である「宮古法螺/"Common" frog shell/赤蛙螺」の類縁は、「沖辛螺」と呼ばれるが、これらは法螺でなく、「小辛螺」とした方が統一感がでそう。 沖小辛螺/Japanese frog shell もっとも、もともとかなり小さいと認定されている貝もある。ただ、同族は「〇〇蛽」というお名前だらけだが。 姫辛螺/阿Q峨螺 アダムス姫辛螺・・・縁戚 ほかには、蕪貝の仲間にも。 桔梗辛螺 都合、ニシは、内陸(淡水棲と肺呼吸タイプ)の田に加え、海の、赤-白-疣、天狗、長、沖、姫、桔梗という名称で整理されることになる。陸はわかるが、海の方はどのような共通性があるのか、感覚的につかめなかった。海人としてのセンスが無いということか。 「軟体類」の目次へ>>> 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2015 RandDManagement.com |