表紙 目次 | ■■■ 2015年8月12日 ■■■ 和名の由来展…海原の景色を想い起こすのも悪くないが、命の造形物に耳を澄ますのもオツなもの。 私の耳は貝のから 海の響をなつかしむ ジャン・コクトー[堀口大学 訳] 日曜日に、真鶴町立 遠藤貝類博物館に行ってみた。 バスの便が悪い場所とはいえ、休暇時期というのに、ガラガラ。 入館料\400が高いとも思えないが。 観光地によくある無料休憩所の、オマケ的風情の施設構造だから、立ち寄る人が少ないのかも知れぬ。なにせ、売店の階段を上るようになっており、この手の建物によくある展示室にしか映らない訳で。 たまたま企画展開催中だったが、小さな展示にもかかわらず、結構、面白かった。・・・ 「和名の由来〜妖怪・動物・植物に関する貝たち〜」[2015年7月24日から10月21日まで] "和名の付け方を知っていますか?実はいろいろな由来があるのです。"というお話。 "漢字で表記すると「栄螺」ですが、「サザ」は小さいという意味で、「エ」とは家を表します。・・・弥生時代の人たちにはサザエの形が竪穴式住居に見えたのかもしれません。” 貝殻の面白さはココにあると思うが、残念ながら、生物名表記は半強制的にカタカナ。学名のラテン語があるなら、漢字でもかまわぬと思うのだが、それは許されないのである。漢字を使ってくれれば、興味を呼ぶと思うがそれをさせない社会。 考えるだにに面白い。櫻貝ならその美しさからそう呼びたくなるのは言われなくてもわかるが、そんなものだけではないからだ。何故にそんな植物の名前がつくのだろう?・・・葵、桧、藤、枇杷、茘枝。 視覚的には、猩猩や猫が圧巻。 猫舌がもちだされるセンスはなかなかのもの。 現代の、学者命名もあろうが、多くは古くからの呼び名だ。その感覚には唸らされるもの多し。素人から見れば、数字番号表記と五十歩百歩のカタカナ名称など色褪せて見えること必定。 マイマイのコレクションも素晴らしいものがあるが、ここにも魅惑的な名前が数々ある。それも並べてくれたらよさそうに思うが、そこまでは親切ではないようだ。 まあ、それは止むを得ない。 ここは、博物館というよりは、海の学校の併設施設らしいから。 考えてみれば、全国津々浦々護岸工事が行われてしまったから、今や、磯遊びの地など希少価値。それに、当たり前だがそれは危険とは隣り合わせ。責任論で叩かれること必定だから、そんな遊びを推奨する人など滅多にいない訳で。 そんな観点では珍しい試みといえよう。 それにしても、つまらぬ世になったもの。 (参考) 山本真土[町立遠藤貝類博物館 学芸員]:"博物館だより「和名の由来」" 2015/08/01 「軟体類」の目次へ>>> 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2015 RandDManagement.com |