表紙 目次 | 魚の話 2018年2月3日 ひなはぜ の話雛の顔 よくよく見ると 無表情 第一印象は時間経過と共に変わってくる。 ポピュラーな名称ではないが、アクアに起用されつつある、地味な色で太短形の小さな鯊がいる。塩水の影響の少ない汽水〜淡水棲で、成長しても3〜4cmほど。 雛鯊 ショップの説明を読んでみると、淡水棲で性格は非常に穏やかとか。動きもゆっくり、他の魚と争う事もほとんど無いという。 縄張り意識を欠くと、餌にありつけなくなるから、そんなことが可能なのかはよくわからないが、条件が良ければそうなるのだろう。サンクチュアリ的な場所に棲んでいる訳でもないのに、そんな調子で生活していて喰われてしまったり、放逐されたりすることがないのか気になるところ。 極めて効果的な保護色であると同時に、フラフラする泳ぎ方にコツがあり、魚から見ると餌に見えないということか。 潮流が入ってこないし、川の流れも余り感じさせない場所だと、そうなるのかも。 ただ、フラフラしているのは、底食を止め、大きな口で浮かんでいるものならなんでも食べるようにした結果と見ることもできよう。このお蔭で生活能力が格段に向上したのは間違いない。 ともあれ、この生活方針は大成功を収めているのは間違いない。 太平洋側だと静岡以南に棲息との解説が多いが、東京湾の京浜運河で群れていたりするし、さらに北方でも見かけるから、(温暖化の結果かも知れぬが)北方へのあくなき進出を図っているのは間違いないところ。 日本列島全体で考えれば、もちろん南方の島々の川が中心的棲息地になる。そこらでは、必ず見つかるようだ。群れないそうだが、群れた状況を見ていないだけかも知れない。 結構、分布を広げている訳だが、日本列島だけで見ていると、この魚がメジャーな地位を獲得していると感じる人は少なかろう。 ところが、インドパシフィック全域を眺めると、この一族が大成功していることがすぐにわかってくる。 南北分布では、日本列島が北限だが、南限は豪州である。おそらく、その間も切れ目なく分布していることだろう。 なにせ、フィジーやバヌアツにも存在しているのだ。そこでは正真正銘のメジャー扱いで、お札や切手のデザインに使われているという。 しかもインド洋といっても、日本から一番離れている棲息場所といえば、なんと南アフリカ。 もちろん、希少種が見つかったということではなく、そこは膨大な数が生活している地域なのだ。 ただ、種の分化がどうなっているのかは、素人にはよくわからない。 外観的には、どこでもDualspot goby/市松(模様)鯊と言う通称名が通るらしく、明らかに一まとまりの種族である。 【真鯊、等が所属する《Gobionellinae》グループ】 <北方淡水進出志向> → 「はぜ 全体像」 ○Redigobius・・・ヒナハゼ類 雛鯊/斑紋雷鰕虎魚/Speckled goby(bikolanus) 襷雛鯊/環帶雷鰕虎魚/Rhinohorn goby(balteatus) -/斜帶雷鰕虎魚/Bull goby(balteatops) -/金色雷鰕虎/Spotfin goby(chrysosoma) -/迪氏雷鰕虎魚/Checked goby(dewaali) -/利氏雷鰕虎魚/Lever's goby(leveri)@フィジー -/鈍吻雷鰕虎魚(amblyrhynchus) -/大口雷鰕虎魚/Large-mouth goby(macrostoma) Roemer's goby(tambujon) (dispar) (lekutu)@フィジー (nanus) (oyensi) (penango)@インドネシア 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |