表紙 目次 | 魚の話 2018年2月24日 ぎんぽはぜ の話鯊の話もいよいよ大詰め。ここまで眺めて来てわかったことは、ド素人が全体像をつかむのは容易なことではないが、インターネットリソーシスだけでもなんとなく見えてくるという点。所詮は浅くて系統だっていない知識の集積を進めているに過ぎないが、暗記作業ではないから、結果が正しいかどうかは別にして、概念的把握が可能である。(6億5000万年前に旧型の魚類が絶滅し、汽水域に棲息していた翼鯊/鈍甲の祖先が分岐したことから始まり、ついにここまで分化拡散したのである。それがどんな流れだったか、なんとなく感じとれればよい訳で。)つまり、素人なりの、新しい見方が生まれたことになる。(リベラルアーツの"学び"も本来はそういうことになるのだが、実際にはほとんど解釈の暗記と化しており、こちらの方がお勧めである。) その観点では、ある意味、素人の方が、学者より優位であると言えなくもない。 学者は証拠と論理を示せない仮説を述べることはしないし、画期的な見方であればあるほど、論文化できるまで一切口外しないであろう。それに、直観的におかしいと思える説もあるだろうが、それに対して明確な理由を示さずに反論はできない訳で。 但し、なんとなく全体観を得ようというだけで、かなりの手間がかかるのは確かだ。時間的余裕と精神的緊張感がなければとてもできない。・・・一般的には、ここらが、知恵を生み出すための必要条件ということであろう。 それにしても、分子生物学もなく、パソコンさえなかった時代の分類学はさぞかし大変だったと思われる。しかし、そんな状態の方が分岐に関するセンスが研ぎ澄まされていたように思われる。 一見、重箱の隅をつつくような仕事に見えるが、行間に感じるのは、進化の見方そのもの。現代の機器分析と統計的解析結果は、とうしてもママのインプリケーションしか書けないようだから、その差が目立つ。 余計な感想を述べてしまったが、鯊の話に戻ろう。・・・ 華麗なり 更紗仕立てで 悦に入り マ、それなりの紋様の種。 更紗鯊 ノースター それでも誉 ストライプ 西太平洋での存在感が欲しいのだろう。 縦縞意匠の鯊はいるが、細身のベラ体形だと一見鯊には見えない。 代表は黄色のストライプ。 金線鯊 星条旗好みの人は赤味がかった橙色のストライプを推したいだろう。 Old glory もっとも、☆はなさそう。 ★目指すのは 南の海の 大スター 岩礁域で青輝色の斑点をつけていれば目立つ。まさにキラキラ☆。 星鯊 📍我血筋 古代ローマの 剣闘士 目立とうというなら、ピンと一筋立てる方が効果的かも。 そんな風体は色々あるが、風格を感じさせる種はコレ。 棘長鯊 🏇 数多くの鯊を見ていると、先端の口吻部が独特な感じがする種だったということか。 轡[クツワ]鯊 言葉で特徴を表現するのは難しいので、こんな命名に落ち着いたと見た。 この轡鯊に似ている種も取り上げておこう。実に、シンプルな名前でヒトなら佐藤さんとか、山田さんレベル。当然、大家族かと思いきや孤立種。 斑鯊 孤立種をあげるなら、こちらも。 ウチワ鯊 マングローブ域棲息の鉄砲蝦共生系らしい。根拠は無いが、小生は、沖縄発祥魚と想定。 胸鰭が大きく、パタパタさせるものと睨んだが、写真の姿はそうは思えず、団扇とはしなかった。 もう一種。 こちらは、硝子鯊を綺麗にした感じ。 三星硝子鯊 ズラズラ並べてきたが、トリはこれ以外になかろう。・・・ 💞 いつの世も 恋いの成就は 心意気 "Sand-diving"はスポーツではなく求愛行動。巣穴から一挙に飛び出す行為である。周囲のことなど気にしていたらアウト。 同じ体形の磯銀宝君とは、その辺りがいささか違う訳だ。 銀宝鯊 【鬚鯊、等が所属する《Gobiinae》グループ】 <熱帯棲分志向>"本流" → 「はぜ 全体像」 ○Amblygobius・・・サラサハゼ類 更紗鯊/尾斑鈍鰕虎魚/Banded goby(phalaena) 頬紅更紗鯊/短唇鈍鰕虎魚/Nocturn goby(nocturnus) 十文字更紗鯊/華麗鈍鰕虎魚/Orange-striped goby(decussatus) スフィンクス更紗鯊/蛾鈍鰕虎魚/Sphinxs Goby(sphynx) -/菲律賓鈍鰕虎魚/Buan goby(buanensis) -/伊氏鈍鰕虎魚/Snout-spot goby(esakiae) Rainford's goby(rainfordi) ○Koumansetta・・・キンセンハゼ類 金線鯊/赫氏庫曼鰕虎魚/Hector's goby(hectori)… -/雷氏庫曼鰕虎魚/Old glory(rainfordi) ○Asterropteryx・・・ホシハゼ類 星鯊/星塘鱧/Starry goby(semipunctata) 姫星鯊/野生星塘鱧(ensifera) 二星星鯊/雙斑星塘鱧/Orange-spotted goby(bipunctata) ヤノ浮星鯊/Yano's starry goby(atripes) ○Gladiogobius・・・トゲナガハゼ類 棘長鯊/劍蓋棘鰕虎魚/Gladiator goby(ensifer) 小棘鯊/Short-spined goby(brevispinis) King goby(rex) ○Istigobius・・・クツワハゼ類 轡[クツワ]鯊/康培氏銜鰕虎魚/Pugnose goby(campbelli) 星野鯊/和歌銜鰕虎/Hoshino's goby(hoshinonis) オキ飾鯊/K點銜鰕虎魚/Black-spotted goby(nigroocellatus) 姫飾鯊/戈氏銜鰕虎/Goldman's goby(goldmanni) 斑飾鯊/線斑銜鰕虎/Rigilius goby(rigilius) 星飾鯊/華麗銜鰕虎魚/Decorated goby(decoratus) ○Macrodontogobius・・・マダラハゼ類 斑鯊/威氏壯牙鰕虎魚/Largetooth goby(wilburi) ○Mangarinus・・・ウチワハゼ類 ウチワ鯊/芒鰕虎魚(waterousi) ○Minysicya・・・ミツボシガラスハゼ類 三星硝子鯊/Blackspot minigoby(caudimaculata) ○Parkraemeria・・・ギンポハゼ類 銀宝鯊(saltator) 天狗銀宝鯊 -/擬沙鰕虎魚/Sand-diving goby(ornata) 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |