表紙
目次

水母の話  2018年3月25日

ドフラインくらげ の話


 南島
 ブーゲンビリアは
 何処にでも

 Bougainvillia, that is everywhere,…

Bougainvilleaはご存知熱帯性の花。
それを家の紋章として使っているクラゲの家族がいるようだ。その代表者はこちら。
  枝水母
触手は放射水菅の傘縁から2本づつ4ヶ所。顕微鏡で見た写真からの判定である。枝別れしていないから、おそらく口縁からの短い4本の触手に枝分かれがあるのだと思う。
この姿を花に例えようと考える人がいるとは思えないから、"ポリプ体"の方の話か。
ブーゲンビリアの花は1年通じて咲いているし、そこら一帯にどんどん枝をのばし爆発的に繁茂するからだ。タネで繁殖させる話も聞いたことがない点もあげておくべきか。
枝水母の方はどうなのかわからないが、「エダクラゲのポリプ(5個体)飼育セット」がマニア向けに販売されているから、すでに見つかっている訳だ。

 生きるとは 常に抱える 枝分かれ
口の触手が枝のように分岐する水母の類縁に日本固有種がある。英語的な名前。
  ドフライン水母
浅い釣鐘形の傘で径1〜3cm。軟な感じがしないから、採取は容易そう。1904年、Dr. Dofleinが東京湾で採取したそうである。その後、クラゲの教育教材として、使われたのかも知れない。
この一家はおしなべて、ボディの構造が簡素で、わかりやすそう。只、ライフサイクルについては、「浮遊プラヌラ→固着ポリプ体」だが、「ポリプ体→ストロビラ変態→エフィラ放出」のプロセスではなく「ポリプ体→ヒドロ芽→1mm稚クラゲ」なので、"標準タイプ"ではない。しかし、小生のような素人からすれば、クラゲ芽経由プロセスの方こそが標準に見える。ポリプに環状窪みが生まれて、上部から、融合花弁的な薄板状のエフィラが一枚一枚はがれ落ち、浮遊して成長すると稚クラゲになるというプロセスは例外としか思えないのだが。

飼育がし易いこともあるのか、水族館好みの種では。毒性が弱いと睨んでいるのだが、よくわからない。たいていの解説は、春の訪れとともにやってくるクラゲとのやさしげな紹介だから、採取し易いだけかも知れぬが。
その特徴はこんな風に描ける。・・・
 短小の口柄が付く口
  4本の口唇触手が枝的に何回か二股分岐
 傘には放射状の4本の水菅
 口柄と放射状水菅にかけて
  襞のついたリボン状
(成熟した時の形)淡褐色の生殖腺
 傘縁放射状水菅部の四隅に同形のまとまった触手
  20〜30本の長い細糸+2本の短ソーセージ
 触手が出る傘縁の内部に濃褐色の眼点

参考(絵図が秀逸)→[PDF]Zen NAGAO:"The LifeCycie of the Hydromedusa, Nemopsis dQE7einiMaas, wi'eh a Suppiementary Note on the Life-ffistoryof Boetgeinvillia smpercigiaris CL.Agassiz)"ANNOTATIONES ZOOLeGICAE JAPONENSES 37(3) 1964・・・"ポリプ体"は爆弾から長い触覚がとび出ているように見える。その側面に瘤が付く。出来上がった"クラゲ体"は蜘蛛みたい。但し、足は8本でとどまらず、増えていくのである。

【刺胞動物/Cnidaria
花虫/Anthozoa…ポリプ型(珊瑚, 磯巾着)

Jellyfish/Medusozoa
ヒドロ虫/Hydrozoa
┼┼【Leptolinae】
┼┼水母([無鞘]Anthomedusae(=Athecatae or Stylasterinae)
┼┼┼《刺糸:ウミヒドラFilifera》
┼┼┼-Bougainvilliidae
┼┼┼┼○Bimeria・・・スズヒドラ類
┼┼┼┼┼鈴ヒドラ(vestita)
┼┼┼┼○Bougainvillia・・・エダクラゲ類
┼┼┼┼┼枝水母(bitentaculata)
┼┼┼┼┼(britannica)
┼┼┼┼┼(fulva)
┼┼┼┼┼ナミ枝水母(muscus)
┼┼┼┼┼子持枝水母(platygaster)
┼┼┼┼┼北枝水母(superciliaris)
┼┼┼┼○Chiarella・・・アケボノクラゲ類
┼┼┼┼○Dicoryne・・・オタマヒドラ類
┼┼┼┼┼お玉ヒドラ(conybearei)
┼┼┼┼○Garveia
┼┼┼┼┼オレンジ鈴ヒドラ(annulata)
┼┼┼┼○Koellikerina・・・ケリカークラゲ類
┼┼┼┼○Nemopsis・・・ドフラインクラゲ類
┼┼┼┼┼ドフライン水母(dofleini)
┼┼┼┼○Rhizorhagium・・・ヒメウミヒドラ類
┼┼┼┼┼姫海ヒドラsagamiense)

 「魚」の目次へ>>>    トップ頁へ>>>
 (C) 2018 RandDManagement.com