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水母の話  2018年3月28日

はいくらげ の話

 ハイハイと ハイカイの差は 紙一重

"クラゲ体"ではあるものの、傘が円盤状で漂泳に向かなくなっており、触手で動くしかない異端の種をとりあげよう。
  這い水母
稀にしか発見されないが、主に海藻/海草の表面を"動いて"いるらしい。
粘着性の珠付き触手を活用している訳だ。当然ながら、相当の数の触手がなければできることではない。しかも、その形状としては一本の紐では具合が悪い訳で枝分かれ。上方側触手と下方側触手で役割分担も必要となる。

・・・と言っても、1mm以下の話をしている訳で、もっぱら研究者の観察記録に頼るしかない世界。

どこまで小さい種があるのかはわからぬが、以下の2種の傘径は0.5mmである。それでも関心を集めるのは、海藻付着無漂泳の生活でありながら"クラゲ体"であることによる。同様な生態の十文字水母[→]は形が異様であり、名目的な"クラゲ体"だが、こちらは傘がある訳で。
そして、その傘が分裂してクローン増殖することができるのである。
  姫這水母
  稚児這水母

尚、這水母は、英語ではCrawling medusaだが、生態は似ているが欧州の一群と上記の日本産とは別なグループとされている。

全くの固着性ではなく、漂泳することもある類縁種もいる。
  枝足水母

こちらは傘がはっきりしており、小さな円筒に近い。そんな体から分枝した触手を伸ばし、海藻や岩の上を這い回るのでる。
高さは5〜8mmで、遊泳可能だが、ホンダワラに付着。
3〜5mmと小さいのも。
  陸奥枝足水母
陸奥湾のみ棲息か。

(参照) Yayoi Hirano, et al.:"Rediscovery of Staorrocladia acuminata (Edmondson, 1930)(Hydozoa, Cnidaria) from Japan, with a Review of Japanese Crawling Medusae"Mem. Natn. Sci. Mus. 40, 2006[要約のみ日本語]

【刺胞動物/Cnidaria
花虫/Anthozoa…ポリプ型(珊瑚, 磯巾着)

Jellyfish/Medusozoa
ヒドロ虫/Hydrozoa
┼┼【Leptolinae】
┼┼水母([無鞘]Anthomedusae(=Athecatae or Stylasterinae)
┼┼┼《有頭:ヒドラ(Hydra)Capitata》
┼┼┼-Cladonematidae
┼┼┼┼○Cladonema・・・エダアシクラゲ類
┼┼┼┼┼枝足水母(pacificum
┼┼┼┼┼(radiatum
┼┼┼┼○Staurocladia・・・ハイクラゲ類 (Crawling medusa#1)
┼┼┼┼┼這い水母(acuminata)
┼┼┼┼┼稚児這い水母(bilateralis)
┼┼┼┼┼姫這い水母(oahuensis)
┼┼┼┼┼三浦這い水母(vallentini)
┼┼┼┼○Eleutheria@欧州[豪州移入] (Crawling medusa#2)
┼┼┼┼┼(dichotoma)

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