↑ トップ頁へ

2000.7.22
 
 


DNAシークエンスの標準…


 DNAシークエンサーの原理は、サンプルに標識をつけた上で、DNA合成反応により生成したDNAを電気泳動にかけ、センサーで読み取るというもの。
 実際には、レーザー光照射による蛍光発光を自動検出している。従って、一次データは波形情報である。これを、ソフト(アセンブラー相当)で塩基配列情報に転換することになる。
 波形情報のフォーマットとしては、米国企業PE Biosystemsの機器では「ABI」、英国Amersham Biotechの機器では「ESD」という名前でよばれる。検出方式が違うためフォーマットは一致しない。
 といっても、塩基データに読み換えるソフトはどちらも読めるから、パソコンのOSのような 問題がある訳ではない。

 このことは、すでにDNAシークエンスの標準的な仕組みが確立したといえよう。
 大量高速処理の要求はさらに強まっているが、これからは、いくら性能がよくても、新しい仕組みは好まれないということだ。測定から解析までの流れが確立したということは、オペレータに稼動をまかせられる単純な仕組みの方が、研究者にとっては価値が高いのだ。

 従って、この時点で、圧倒的な地位を確立する企業が今後も優位を保つ可能性が高いといえよう。といっても、技術革新が激しいいから、飛躍的な効率向上方法は登場してくる。当然ながら、現在のリーダー企業以外が開発する可能性もある。しかし、こうした開発者にとって、新システム構築は大事だ。そうなると、こうした新技術は、今までのシステムに活用するのが自然だ。
 コピー型の後発事業は難しいが、技術さえあれば、リーダーと協力していく産業モデルが産まれるかもしれない。先頭を走る企業は、同業者やベンチャーの力を借りながら、さらに発展していくことになろうが、部分的に協力する企業も十分収益を得られる筈だ。

 2000年段階で、両社の機器は、測定サイクルタイムが2時間強に短縮され、測定サンプル数も3桁に近づいた。対象塩基の数を数百だから、終日自動運転を続ければ、解析データは、僅か数日でヒトゲノムの塩基数にまで達することになる。これ程莫大なデータを活用しようというのだから、測定ハードもさることながら、これからは、産出データの取り扱い方(DNAシークエンサーのハード・ソフトと解析機器のハード・ソフトをどう繋がるかと言う意味)が成功の鍵となりそうだ。


 ゲノムの時代の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2004 RandDManagement.com