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2000.7.29
 
 


L.S.I.コンセプトの威力…


 バイオインフォマティクスのリーダーと目されるのは、Lion Bioscience(97年設立、本社は独ハイデルベルグ、オフィスは独ベルリン、英ケンブリッジ、米ケンブリッジ、2000年3月現在の従業員数は202人)である。

 このベンチャーが有名なのは、同社のSRS(Sequence Retrieval System)を使う企業が続々と増えているためである。DNAのデータは爆発的に伸びており、自社のデータだけでなく、他社や公開データを、統一的に利用したいニーズは高かったのだが、規格が完全に統一されている訳ではないため、各社とも苦労していた。SRSは400ものデータベースに1つのインターフェースでアクセスできるようにした。
 これ程便利なものはないし、どの企業も「時間」を重要視しているから、好評を博した。このまま、一挙に普及すれば、標準になる可能性もある。

 このような説明をすると、バイオインフォマティクス領域の一部に特化したベンチャーとの印象を持つ人もいるかもしれない。しかし、データベース解析プラットフォームの構築技術は、ライスサイエンスでは鍵を握る重要なものだ。Lionは、そのことを理解した上で、SRSの事業を進めているようだ。

 Lionが目標としているシステムは、「L.S.I.コンセプト」として表現されている。(http://www.lion-ag.de/lsi/tps2-a.html)新規薬剤の研究開発を情報技術により高効率化を図る手法と言ってよいだろう。研究開発には4段階のステップがある。第1段はターゲット探索、第2段はリードの発見、第3段は治験、第4段は患者対応である。どの段階でも、データが収集されてくる。これを、いかに統一的に解析するかは、まさに、SRSそのもののコンセプトといえよう。異なる基準のデータベースを統一的に考えられる手法を提供しようという訳だ。

 勿論、今すぐに、すべてが統一的に解析できる状態にはない。しかし、すでに、遺伝子データベースを活用する、「バイオインフォマティクス」は実用レベルに達した。これに、「ケムインフォマティクス」、「メディカルインフォマティクス」が加わわれば、全体をカバーできるようになる。予想されていた流れが、いよいよ始まった。


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