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2002.7.16
 
 


堅調な米国バイオ産業…

 2001年、米国のバイオ産業は276億ドル規模に達したという。1457社が17万9千人を雇用している。研究開発費総額は156億ドルだった。95年の産業規模は127億ドルだったから、倍以上になった。リーダー企業では従業員一人当り研究開発費は8万9千ドルだ。(出典:Ernst & Young LLP, Biotechnology Industry Report 2002) 巨大なハイテク産業が育った。

 米国のベンチャーバブルが破裂したが、この産業は、それほど大きな影響を被ってはいないようだ。ベンチャーキャピタルはテレコムとドットコム分野からバイオに焦点を移しているという。
 しかも、ほとんどのベンチャーは、今のところ資金が潤沢だから、今後数年の研究開発費をカバーできる状況だ。資本市場の不調で、産業の勢いが止まることはなさそうだ。

 こうした状況に刺激され、欧州・日本・アジア(台湾・シンガポール)・イスラエルでもベンチャー設立のためのバイオ振興プログラムが盛んである。

 しかし、一番重要な、新興バイオ企業と既存の製薬産業界の協力体制構築を欠くプログラムが多い。これでは、産業は育たない。
 新薬のタネと新技術をすぐに活用できる企業をパートナーにできる体制が無ければ、バイオ産業の急拡大は無理である。例えば、2002年に、欧州の製薬企業ロシュ(バイオ薬品EPOで成功した中外製薬を傘下に持つ)は合成EPO系蛋白技術を持つ米国ベンチャーと提携した。(http://www.gryphonsci.com/03_press_releases/2002-05-28.htm) 
 次々と登場する当たらしい技術を社内だけでカバーできないから、製薬企業のこのような動きは当然のことといえよう。
 2001年には、427件もの契約が報告されており、対前年比でも13%増だ。もちろん、バイオ企業同士の案件も盛んだ。(http://www.bio.org/news/speeches/20020429.asp)

 ベンチャー企業の数や、研究開発費用で、米国バイオ産業にキャッチアップすることを目指すだけでは、ハコもの作りになりかねない。既存産業がパートナーとして動かなければバイオ産業の大きな発展は難しい。その点で、大手製薬企業が少ない国は、ハンディキャップがあるといえよう。


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