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2002.7.16
 
 


動き始めた欧州のバイオテクノロジー戦略…

 いよいよ、欧州が、バイオテクノロジー分野での産業競争力向上を本気になって取り組み始めた。2002年には、ライフサイエンス・バイオテクノロジーの欧州戦略が設定され、各国政府が実際に動きはじめている。 (http://europa.eu.int/comm/barcelona_council/27_en.pdf)

 もともと、科学の分野では欧州は進んでいたが、産業化では力が発揮できない状態だった。限られた大手製薬企業と大化学企業が産業研究をリードする時代が続いていたからだ。この体質を一変させるため、アカデミズムと産業を繋ぐための施策が次々と打ち出されている。
 その結果、90年代後半から大きな変化がおきた。
 2001年には欧州のバイオテクノロジー企業は1,570社に達した。これは97年の約2倍である。米国の1,273社を越える勢いだが、企業の規模が小さいから産業規模はまだ3分の1だ。しかし、97年は10分の1程度だったから、大躍進だ。雇用も倍増し61,000人に達した。産業として確立したといえよう。
 この流れを一気に強めようというのが、欧州戦略である。

 特に、欧州全体振興の視点から、地域における研究開発コミュニティ活動の活発化(いわゆるクラスター)を重視している。さらに、米国に比べ少額だった研究開発費の増額方向も明確にした。
 要するに、不退転の決意で、バイオテクノロジー産業を飛躍させるべし、と提起したのだ。これに応えて、欧州各国政府が次々と産業振興策を打ち出すことになろう.

 すでに進行中のFP6(2002-2006)でも、ゲノム領域は最重点分野である。しかも、FP6は単なる補助金ではない。欧州全域における研究者のモビリティを重視しており、研究者の考え方を変えるものになっている。2002年7月にアイルランドで行われたFP6の説明会での政策責任者の発言が、その狙いを端的に語っている。「Our thinking may be somewhat confusing for you, and that's inevitable with the shock of the new, but it [FP6] is a simple structure, and I'm sure that you will find your place in it.」(http://dbs.cordis.lu/cgi-bin/srchidadb?CALLER=NHP_EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&RCN=EN_RCN_ID:18679)


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