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2013.8.24
 

歴史で感性を磨く

地質時代の全体観が欲しい

地質時代区分ほど、素人に覚え難い用語はないのでは。だからこそ嬉しいとおっしゃる方もおられる訳だが。
ともかく、丸暗記せよという訳で、たまらぬ。

パソコンのJargonなら、マウスやクリック、はてはスパムと、なかなかの面白表現だからそれなりに親しみがわくが、こちらの場合そんな感じは皆無。
五万と存在する生物種の命名なら、混乱を防ぐための万国共通の学者用語を作るのは理解できる。だが、専門用語一本槍など世間的に通用する訳がなく、普通の人々が使い易い名称を別途つくるもの。

だが、この分野はそんな発想とは無縁。
まあ、英国流博物学とディレッタンティズムが融合したハイブローな「真理探究」用語だけが通用する世界なのである。それが嫌なら学ぶなということ。ハハァー、恐れ入谷の鬼子母神といったところ。
お陰で、知識不足の状態から、この分野の本を読むのはえらくつらい。年代注記があったところで、時間軸感覚がわかないから、さっぱりイメージが浮かばないのである。なかには、一般書にもかかわらず、「地質年代」だけ記載してありものもあり、一体、コリャなんだかネである。
しかも、本によって時代の状況内容が違っていたりするから、いやはや。学問的進歩未対応なのか、はたまた学説が色々あるのかわからぬが。

さらにこまるのは、「日本語訳」。二畳紀など三畳紀の前なのが自明だから便利だったが、使わないつもりらしいが、三畳紀はそのまま。カタカナにしてもらった方が便利なのに。石炭とかチョーク(白亜)とするのならわかるが、意義が薄い表意にしたところでなんの価値もないと思うが。それに「第3紀」表現への固執も理解不能。「第4紀」をなんとしても残そうということか。3番目とオマケの4番目という見方を、NeoとMioとして、概念的に2つに分けようとしているように見えるが、それをわざわざ新と古とする必要があるとは思えないのだが。
それに、表意が逆にまぎらわしい。小生は漢字を並べてみて、ようやく、「○新世」の順番がわかった。・・・「完(現世)←更←鮮←中←漸←始←暁」ということ。当然ながら、これを3つの期間に分ける視点はここからは想像のつけようがない。丸暗記するしかないのだから、カタカナにしてくれた方が英語もわかるから圧倒的に便利だが。日本語名称など止めて、英語の頭文字だけにしてくれる方がもっと有難い。数字で番号でも振ってくれると、素人にはさらにわかり易いのだがネ。・・・「Cm(カンブリア#11)→O→S→D→C→P→T→J→K→Pg→N(#1)」てな具合。

そうそう、「代」=era (時代)が大まかな区分で、それを分けた基本区分が「紀」=period (期)となっているようだ。これを、さらに細かくすると「世」=接尾語[-cene]ということか。なんだかネ、このご大層な訳語。その「紀」と言うか、「期」だが、カンブリア紀から現世までで11に区分されており、これを「新、中、古」の3つの時代に分けて頭に叩きこむ必要がある訳だ。どうして3区分なのか、どう違うのか、はっきり記述していないので、理解しにくいことこの上なし。

などと、御託を並べても、なんの利益もないので、勝手にまとめてみた。尚、いい加減なものである。なにせ、異なる情報だらけで素人には対応不能。しかも時代区分をさらに細かくしてあるものもあり、前半と後半では状況が全く違っていたりして、そのご親切な指摘には頭が下がる。その割には、網羅的記載でないから、さらにイライラがつのることになる。陸はわかったが、海はどうなのとか。大陸の状況が変わったから、生物はどうなったのかを記載するなら、すべて書いてもらわなければ、なにがなにやらである。読む方は、たいした変化がなかったのか、未知なのかもわからないのだから。お陰で、頭の整理はつかない。

まあ、どうせ素人相手だから、多少なりともイメージが湧けばそれで御の字ということか。・・・以下、備忘録的にまとめてみたものをお示ししておこう。時代のイメージも勝手に作ってみた。これが無いと頭が働かず、本が読めないからである。

---顕生代/Phanerozoic---
【新生代/Cenozoic】
 <?・・・第四紀/Quaternary> (人類期)
    次の時代「N」に含めると収まりがよい。

 ・完新世(沖積世)/Holocene(Alluvium):現世
 ・更新世(洪積世)/Pleistocene(Diluvium)
   [環境] ほとんど氷河期(海退)
   [動物]
    ★原人出現★
    末期からマンモス絶滅へ

 <?・・・第三紀/Tertiary>
 新第三紀/Neogene N 現世動物期
 ・鮮新世/Pliocene
   [環境]
    草原化
    南米と北米の連結
   [動物]・・・「さらなり」
    ★猿人出現★
    現世動物祖存在

 ・中新世/Miocene
   [環境] 南米と豪州が孤立状態 草原拡大
   [動物]・・・新生物希少
    ヒト科動物出現
    植物食性有蹄類多様化

 古第三紀/Paleogene Pg 哺乳類期
 ・漸新世/Oligocene
   [環境] 寒冷化(海退)
   [動物]・・・既生物寡占
    ★類人猿出現★
    植物食性大型哺乳類繁栄

 ・始新世/Eocene
   [動物]・・・現世生物自然展開
    ★真猿類出現★
    哺乳類多様化(海進出)
    二枚貝繁栄

 ・暁新世/Paleocene
   [植物] ほぼ現世的様相
   [動物]・・・古き現世生物
    ★哺乳類、魚類分化進展★
    巻貝、二枚貝主流化


*境界* 大型爬虫類、魚竜、アンモナイト完全絶滅 有孔虫、円石藻大量絶滅
【中生代/Mesozoic】
 白亜紀/Cretaceous K 昆虫被子植物期
   [環境] 寒冷化 アルプス造山 七大陸化
   [植物]
    被子植物繁栄
    植物プランクトン円石藻類繁栄
   [動物]
    ★霊長類出現★

 ジュラ紀/ J 巨大恐竜期
   [環境] 温暖化 テチス海
   [植物]
    椰子様ベネティス、銀杏、蘇鉄繁栄
   [動物]
    巨大恐竜繁栄
    昆虫多様化
    ★始祖鳥出現★
    珊瑚礁拡大

 三畳紀/Triassic T 恐竜期
   [環境] 乾燥
   [植物]
    裸子植物繁栄
   [動物]
    ★哺乳類出現★
    陸で恐竜、空で翼竜、淡水で鰐が強者
    浅瀬に魚竜や他の爬虫類


*境界* 海棲無脊椎動物大量絶滅
【古生代/Paleozoic】
 ペルム紀(二畳紀)/Permian  P爬虫類期
   [植物]
    球果植物(松、樅)発展
   [動物]
    ★陸棲脊椎動物繁栄★

 石炭紀/Carboniferous C 両生類期
   [植物]
    シダ植物繁栄
   [動物]
    ★完全陸上生物(有羊膜卵)出現★
    巨大昆虫、両生類繁栄

 デボン紀/Devonian D 魚類期
   [環境] 乾燥 カレドニア造山
   [動物]
    ★四肢動物出現★
    魚類大繁栄

 シルル紀(ゴトランド紀)/Silurian S 陸上生物登場期
   [植物]
    陸上進出
   [動物]
    ★有顎有鱗魚類出現★
    珊瑚繁栄
    淡水域進出

 オルドビス紀/Ordovicia O 筆石期
   [環境] オゾン層形成
   [動物]
    ★無顎脊椎動物多様化★
    引き続き三葉虫、加えて、オウムガイ、筆石繁栄

 カンブリア紀/Cambrian Cm 海洋生物爆発的発生期
   [環境] 温暖な浅海
   [植物]
    藻類繁栄
   [動物]
    ★ナメクジウオ様の無顎脊椎動物出現★
    無脊椎硬殻の三葉虫、アノマロカリス繁栄
    ほとんどの基本形出現


*境界* 軟組織特殊形態生物絶滅
---隠生代/Cryptozoic---
【原生代/Proterozoic】

    「先カンブリア」になるが、以下どこまで入れるのか定かでない。
 新原生代/Neoproterozoic
 ・エディアカラ紀/Ediacaran
   [生物] 車輪状,葉状,左右対称蠕虫様の軟組織特殊形態
 ・クライオジェニア紀/-Cryogenian
   [環境] スノーボールアース
   [生物] 放射状生物アクリターク

 ・トニア紀/Tonian
 中原生代/Mesoproterozoic
 ・ステニア紀/Stenian
   [生物] 化石無しに近い.
 ・エクタシア紀/Ectasian
   [生物] 複雑多細胞生物出現
 ・カリミア紀/Calymmian
 古原生代/Paleoproterozoic
 ・スタテリア紀/Statherian
   [生物] 真核生物出現
 ・オロシリア紀/Orosirian
   [生物] シアノバクテリアの膨大な光合成
 ・リィアキア紀/Rhyacian
 ・シデリア紀/Siderian
   [生物] 嫌気性藻類の膨大な酸素発生

【始生代/Archean】
 新始生代/Neoarchean
   [生物] 藍藻類ストロマトライト
 中始生代/Mesoarchean
 古始生代/Paleoarchean
 原始生代/Eoarchean
   [生物] 祖細菌出現

【冥王代/Hadean】
   [生物] 生命誕生



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