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■■■ 今昔物語集の由来 [2019.7.10] ■■■
[10] 竹取翁
「かぐや姫」の話も収録されている。
 【本朝世俗部】巻三十一 本朝 付雑事(奇異/怪異譚拾遺)
  [巻三十一#33] 竹取翁見付女児養語

竹取物語は誰でもが筋を知っているものの、原本は同定できていない。「源氏物語」に"物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁"とあるから、日本初の物語らしいということはわかっているものの。
「今昔物語集」版はそのガイストではあるが、他とは少々違う・・・。

籠を造る竹取の翁、竹林に行き節に光ある竹発見。切ると中に三寸ばかりなる女児。
帰宅すれば、媼も喜び大切に育てた。
長大に成長し、世に並び無く端正ということで世に聞こえ高くなる。
その間、竹の中から金も得ており、そのお蔭で、宮殿楼閣での豊かな生活を送っていた。
勿論、諸々の上達部、殿上人は懸想した訳だが、会うのには条件があり、難しい注文に応えねばならなかった。
 "空に鳴る雷を捕らへて来たれ。"
さらに、
 "優曇華の花を取りて持ち来たれ。"
それに加えて、
 "打たぬに鳴る鼓を取りて得させたらむ。"
何れも堪へがたき事にもかかわらず、家を出で海辺にとか、世を棄て山中に、といった具合で命を亡くしたり、返り来ぬままという人も出た。
そんなこともあってか、天皇の知る所になり、真に端正なら速やかに后にと行幸に相成る。
家は王宮のようだったし、これは后になるため、人を遠ざけたのだろうと解釈。宮に帰り、皇后として立てよう、と決意。
ところが、人ではないからそれは無理との返事。
そうなると、鬼か神か?、と天皇は尋ねたのだが、どちらでもなく、空から来たので、速やかに返して欲しいとの返答。
そのうち、空からこの世の人とも思えない迎えの人々が到来し、お輿に乗せて昇っていってしまった。
人々は、世の通念とおよそかけ離れたことがおきたと思ったのであった。

一般に聞かされて来た他開け取り物語は、それそれの求婚者には実在するモデル人物がいて、読めば誰のことか察しがつくように工夫されていた。従って、反藤原勢力というか、要するに反体制派の作品だろうと考えることになった訳だが、どうも、それは凡人の受け取り方のようだ。
「今昔物語集」作者はその辺りをどう考えて収載したのかよくわからないものの、求婚者像を描くつもりは更々なさそうだから、求婚者に焦点が当てられている訳ではないのである。
マ、最終巻は仏法とはおよそ縁遠く、しかも雑多な話が集められているから、竹取物語も無視できぬナということで軽い気分で採択しただけの可能性もあるものの。

そうなると、丹後国風土記逸文"浦嶼子"の天女モチーフが同じとの説を取り入れるのも一興。換言すれば、大陸の神仙思想の流れが日本にも入っていることを示した訳である。

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