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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.1.17] ■■■
[201] 酒壺の蛇
僧夫婦が仏事用供物の餅で酒を造る。
ところが、酒壺をのぞくと多くの蛇が蠢いていたので、壺ごと野に棄てる。
通りかかりの男達が壺を見ると中身は美酒。持ち帰って堪能。

なんとはなしに、蛇酒も彷彿せる部分があってなかなかに面白い日本の昔話 @大阪府だ。題して、「酒つぼのヘビ」。 [Web"福娘童話集 8月24日"]
簡単に言えば、"ケチな生臭坊主 仏罰が当たる話"とでもなろうか。

モトネタは「今昔物語集」で、
  "仏物は量無く、罪深き物也けり。"
がご教訓。
要するに、仏の供物を横領し私用に使ってしまうのは特に重罪とのお話。
  【本朝仏法部】巻巻十九本朝 付仏法(俗人出家談 奇異譚)
  [巻十九#21]以仏物餅造酒見蛇語
 もともとは比叡山で修行していたが、
 生まれ故郷の摂津に行き、
 妻を娶り、法事で生活していた僧の話。
 才的に賢いとは言えないが、
 しかるべき事は心得ていたので、
 修正会をの導師役を始め、
 経典供養や講師として招請されていたのである。
 ある時、沢山の餅が供養された。
 誰にも与えずに取り置きにしていたが、
 妻が、他人や子供、従者に食べさせるより、
 酒を造った方がよいと考え、
 僧も、名案と評価。
 やがて、月日が経ち、出来あがりの時期となり
 妻が覗くと、壺のなかで蠢くものが。
 なんど蛇の集団。
 僧も見ると、その通りだったので。
 酒壺を担いで広い野原に放棄。
 一両日後、そこを3人の男が通りがかり酒壺発見。
 胡散臭かったが、酒好きなので、飲んでみると美酒。
 素晴らしきと十分に堪能し、持って帰ってしまった。
 この話が里に拡がり、僧の知るところとなった。


もちろん、僧と嫁は反省し、改めるようになったといの顛末。

現代でも、違和感なく通用しそうな昔話とされているのだろう。

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