→INDEX

■■■ 今昔物語集の由来 [2020.3.6] ■■■
[250] 大興善寺費長房
題では仙人が住む渤海の神山"蓬莱"が記載されているが、本文には無い。しかし、本文には仙法はでてくる。
白楽天も詩材にしており、震旦における不老不死願望的な道佛混淆ムードを指摘したかったのだろうか。

放置されている遺骸を手厚く葬ったというだけの話。・・・
  【震旦部】巻十震旦 付国史(奇異譚[史書・小説])
  [巻十#14]費長房夢習仙法至蓬莱返語
 費長房が路傍で白骨化した死体を見つけた。
 行き交う人に踏まれており、哀心から埋葬。
 その後、夢にその死者が現れ
 実の魂は天に生まれて、際限なき楽しみを享受しているが、
 もう一つの魂は、死骸のそばに留まったまま。
 道中行き違ふ人に踏まれ歎き悲んでいたところ、
 埋隠して下さり、喜びにたえない、という。
 果報に値するので、
 昔、仙法を修習し、忘れていないので、
 これをお伝え申そう、と。


死者が、生前、仙法を修習したと言うところを見ると、同姓同名の方士 費長房かも。時代は相当に離れているが、日本列島のような気候ど地質ではないから、後漢の死体が白骨化して隋代に残っていることはありうる。

一方、主人公の費長房は成都で出家した僧だが、北周武帝の廢佛道二教@574年で還俗させられた。
その後、隋の仏教復興で翻経学士となり長安 大興善寺で訳経/訳者伝を集成した「歴代三宝紀/開皇三寶録597年を纏めた。
仏教は経典だらけであり、偉大な成果と言ってよいだろう。
そんなこともあって、費長房にはなんらかの形で触れておきたかったのだろう。冗談半分で、仙術の費長房ではありませぬゾと言いつつ。

 (C) 2020 RandDManagement.com    →HOME